鹿島アントラーズは終了間際の劇的弾で湘南ベルマーレを1-0と下し、3連覇を成し遂げた09年以来、11年ぶりの7連勝を達成した。

試合を通して湘南の鋭いカウンターや寄せの激しさに苦しめられたが、後半ロスタイム4分、ペナルティーエリア内でこぼれたボールを、途中出場のMFファン・アラーノが拾って浮き球でシュート。これが相手DFに当たり、コースが変わってゴールに吸い込まれた。

ザーゴ監督率いる鹿島に勝負強さが出てきた。後半ロスタイムに同点弾または勝ち越し弾を決めたのは、8月16日の神戸戦を皮切りに今季4度目。うち3試合で、途中出場の選手が得点している。2戦連発弾を沈めたファン・アラーノは、「ベンチにいるときは、いつもザーゴ監督から『相手を分析しろ』と言われている」と明かした。指揮官の的確な指示と采配、そして“交代枠5枚”のルールが、相乗効果でチームに好影響をもたらしている。

今季2度目の完封勝利も明るい材料。それでもポスト直撃のシュートを食らったGK沖は「危ない場面は2度、3度あった。相手に助けられた印象」と気を引き締めた。4位に浮上したが、チームに浮かれた様子はない。首位の背中はまだ遠いが、鹿島は一歩ずつ差を縮めていく。【杉山理紗】