<明治安田生命J1:C大阪2-0柏>◇第1節◇27日◇ヤンマー

15年ぶりにC大阪に復帰した元日本代表FW大久保嘉人(38)の母千里さん(66)が、プロとしての第1歩を刻んだチームでの開幕弾を喜んだ。娘の自宅がある長崎県島原市でテレビ観戦。興奮気味に電話取材に応じた。

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-ゴールはどこで見ていましたか

千里さん 本当は大阪まで見に行きたいと思っていたんやけどね。まさか(試合に)出ると思っていないから。サブ(控え)に入っても、若いいい選手がおるし、出やんかも知れんと思ってね。島原にある嘉人の妹(鮎美さん)の家で1人で見てました。そしたらスタメンでビックリよ。ゴールを決めた時は手をたたいて、1人で大喜びしていました。

-C大阪に戻ると聞いたのはいつ頃ですか

千里さん 年末に家族で小倉に帰ってきたんです。その時にセレッソに戻るかもしれんと聞きました。私もセレッソが好き。親しみやすいんよ。高校を出る18歳の時に初めて入ったクラブで、いい思い出も悪い思い出もたくさんある。嘉人は若い頃、尖っちょったけぇ。いろんな人に迷惑をかけてね。18の時にモリシ(森島氏)に世話になって、アキさん(西沢)にもかわいがってもらった。18だった子が38になって、試合に出られるんやろうか。最初聞いた時は正直、複雑でした。

-親として不安もありましたか

千里さん 普通ならね、こんな年(38歳)の選手は使えんって、そう言うはずですよ。だって昨年は(J2の)ヴェルディで1点も取っていないんやから。それでもセレッソに戻してくれたんやから。みんなに感謝です。梶野さん(統括部長)が「嘉人の引退のカードは俺が持っちょる」っていうような発言をしたでしょ。私は親やけど、腹も立たん。梶野さんが、昔からどれだけ嘉人を世話してくれて、かわいがってくれているか。それは本人と私らにしか分からんことやから。あれはね、愛情表現なんよ。嘉人を頑張らせるために、わざと、あんなことを言ったんやと思います。

-まだまだ元気にプレーしてくれる姿が見たいですね

千里さん 今年1年だけやなくてね。もう2~3年は頑張れるやろ。代表で一緒にやっていた俊輔は42歳、ヤット(遠藤)も41歳でしょう。嘉人の1つ上の松井も、あの年でまた海外(ベトナム)に行ったんやから。みんな、まだまだやっとるんやけぇ。まだ2~3年は見せつけて欲しいね。

-13年5月に他界した父克博さんにもいい報告ができそうですね

千里さん 私は、1日に北九州に帰るけぇ。墓参りに行ってくるつもりです。去年、1点も決めれんかった嘉人が、セレッソの開幕戦でゴールを決めたよ! って。そう墓前に報告します。喜ぶと思うよ~。私も大阪まで見に行きますよ。試合を見るのは、フロンターレで3年連続で得点王になった時が最後。しばらく見ていないから。全く連絡はしてこんけど、こんな年でも楽しませてくれているんやから。親としては楽しみが増えました。【取材=益子浩一】