徳島ヴォルティスの売り出し中、MF藤田譲瑠(じょえる)チマ(19)が4日、J1リーグのホーム開幕戦になる6日のヴィッセル神戸戦(鳴門大塚)へ意気込みを語った。

東京都生まれで、愛称は「ジョエル」。J2東京ヴェルディから今季新加入した19歳は、2月27日の開幕大分トリニータ戦でいきなりフル出場でJ1デビュー。1-1の引き分けに貢献した。ボール奪取力の秀でたボランチで、東京V育ち特有の高い技術力が特長だ。

オンライン取材に応じた藤田譲は「開幕スタメンを取れるとは、その週まで思っていなかった」という。ダブルボランチの位置で「自分たちが有効的に球を回すことができた。前半は特に、味方同士の距離もよかった」と振り返った。

次の神戸戦は、昨季まで同じ東京Vに所属していた4学年上のMF井上潮音(しおん、23)と、初めて対戦することが濃厚だ。

井上も同様に、神戸-G大阪の開幕戦で先発でJ1デビューを飾った。映像でチェックし「潮音君は楽しそうにやっていた。自分でゲームを作りたいのは(昔から)変わっていなくて、自由にやっていた」という感想を持った。

東京V時代は練習場から井上のマイカーで、藤田譲が住んでいた選手寮までよく送ってくれたといい、「面倒みがよかった先輩」と感謝している。

徳島は前回J1だった14年、当時の小林伸二監督(現J2ギラヴァンツ北九州監督)の下、1度もホームで勝てずに1年でJ2に逆戻りしてしまった。今回はクラブとして7年ぶり2度目の舞台で、藤田譲ら新戦力の存在は頼もしい。

指揮を執る甲本偉嗣ヘッドコーチ(41)は「今年は(ホームで)1つでも2つでも多く勝ちたい。前回はすごく悔しかった。サポーターに申し訳なかった」と必勝を期す。スペイン人のダニエル・ポヤトス監督(42)が入国制限で来日できていないが、藤田譲ら若手の力を加えた徳島が、J1ホーム初勝利でクラブの歴史を刻む。【横田和幸】