セレッソ大阪の強化責任者、梶野智チーム統括部長(56)は11日、本拠地ヨドコウ桜スタジアムで開催された「サポーターズコンベンション」で、詰めかけたファンやサポーターの前で昨季の成績不振について異例の生謝罪をした。

このイベントはサポーターに強化方針や今後について、クラブから直接説明する場で、開幕前恒例になっている。応援する側とされる側の距離を、少しでも縮めて共闘するのが狙いだ。

梶野部長は、冒頭のあいさつで「まず始めに昨年、(J1)リーグにおいて12位、内容的にも非常におもしろくない試合をしまして、この場をお借りして誠に申し訳ありませんでした」と頭を下げた。

同部長は昨季、ブラジル人のレビークルピ氏を監督として4度目の招聘(しょうへい)をしながら、J1リーグで12位に終わった。公約していた3位以内は実現できなかった。残留争いに巻き込まれた8月末、コーチだった小菊昭雄監督(46)の内部昇格という形で政権交代があった。その前年の20年は、スペイン人のロティーナ監督が指揮し、優勝争いをした上での4位だった。

さらにイベント内では質疑応答の時間があり、男性サポーターから「結果が出ていた(19、20年の)ロティーナ監督を代え、梶野部長に責任があるのでは」などと厳しく追及されると、梶野部長は「私に責任があると思っています」とコメント。別の男性サポーターからも同様の質問が出ると、同部長は「本当にここにいてもいいのかと思っております。今年必ず、みなさんに満足してもらい、少しでもその怒りをおさめていただけるように努力します。本当にすみません」と改めて謝罪した。

森島寛晃社長(49)も「何も考えずに方向性をもってやっているわけではありません」と、一定の理解を求めながら「決断したのはすべて私です」とトップの立場で頭を下げた。

また、別の男性サポーターからは「例え、C大阪がJ2に落ちても好き」という趣旨の熱いメッセージも寄せられるなどし、温かい拍手が起きた。勝利と結果を求めるクラブと、応援するサポーターによる真剣な意見交換の場となった。