唯一無二の守護神が偉業を成し遂げた。浦和レッズGK西川周作(40)が敵地柏戦でJ1通算最多となる672試合目に出場。試合は0-4の大敗も、元日本代表の遠藤保仁が持つ大記録に並んだ。05年のデビューからプロ22季目。ブレないメンタルと高いキック精度を武器に年齢を重ねても高いパフォーマンスを維持。GKという1つしかないポジション、そしてゴールマウスを死守し続ける。
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節目の一戦を勝利で祝うことはできなかった。信じ難い4失点惨敗。西川周は「自分が成長するための過程。今日の結果はまだまだだぞ、もっともっと成長しろと神様に言われてるのかな」と振り返った。
心の強さが大記録につながった。たとえ自分のせいで敗れても、変わらない様子で取材エリアに姿を現す。「自分がミスったことや勝てなかったことをシャワーとともに洗い流すんです」。浮き沈みのない精神状態を保ち、プレーにつなげる。若い頃は感情をコントロールできないこともあったが、妻に「それじゃあダメ」と指摘されて心を入れ替えた。
強靱(きょうじん)な精神力を持っていても苦しんだ過去もあった。「今だから言えるけど…2022年かな。僕1年間ぐらい応援されなかった時期があったんですよ。それは僕が悪かったんですけど」と打ち明ける。コロナ禍で声出し禁止だった21年に声援を送っていたサポーターを抑えるよう、スタッフに放った言葉がサポーターグループに伝わり、反感を買った。
声出しが解禁された翌年、コールがないどころか、敵地神戸戦ではウォーミングアップで出た際にブーイングを浴びた。1-0完封勝利し、試合後には涙を流した。シーズン終了後にサポーターのリーダーと話し合いの場を持ち、和解。迎えた23年のアジア制覇は格別だった。「ファン・サポーターが見てくれる刺激で痛いところも無くなる」と重要性をより実感した。
今の活力は「浦和でのリーグ優勝」と言い切る。かつて所属した広島ではJ1連覇も経験。国内外全てのタイトルを手にしたが「満足しないっすね。勝ちたいし、勝ちたい欲がすごいです。チームが勝つ、そのために自分のベストを尽くす」と勝利に飢える。
シーズン前に40歳を迎えた。老け込む気は一切ない。「自分の中で40まで1つ区切りと考えて、またこの40から新人の気持ちで、選手としての第2章が始まるという意識」。次節の敵地神戸戦にも単独トップに立つ。前人未到の700試合も射程圏内だ。不惑の守護神は突っ走る。【佐藤成】
◆西川周作(にしかわ・しゅうさく)1986年(昭61)6月18日生まれ、大分県出身。大分の下部組織からトップ昇格し、大分-広島-浦和。J1ベストイレブン6度選出。国内3大タイトルに加え、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)も2度制覇。05年ワールドユース(現U-20W杯)、08年北京五輪、14年W杯ブラジル大会に出場。国際Aマッチ31試合。183センチ、81キロ。
▼記録メモ 浦和GK西川周作(40)は10月31日の柏戦にフル出場し、MF遠藤保仁の持つJ1通算最多出場記録の672試合に並んだ。初出場は大分時代の05年7月2日の横浜戦(大分ス)。完封数は通算215試合でGK歴代最多。



