サッカーワールドカップ・ロシア大会に出場する日本(FIFAランク61位)がスイス(同6位)に0―2で完敗した。

 西野監督とは対照的に選手たちからは悲壮感が漂った。主将のMF長谷部は重い口調で「今日の試合はすごくいい例。(攻撃の)手詰まり感がすごい。南アフリカ大会の時と状況が似ていると思われるかもしれないけど、それは自分の中では(1次リーグ突破の)何の保険にもならない」と話した。

 決定機はほとんどなく、シュートはペナルティーエリア外からのミドルシュートばかり。攻撃で相手の脅威になるような場面を作ることはできなかった。頼みの綱のFW大迫も、負傷で前半40分に途中交代。ただ、40分間の出場でも守備に追われ、体力を消耗した。「守備でずっと走らされて(ボールを)取った時は後ろの方。前の選手はなかなか大変だった。分担して走る距離を減らして、カバーできるか。あのやり方をしたらどういう選手でも30分で死ぬと思う」。守備のラインが下がり、前線で孤立した。

 厳しい状況に雰囲気は重く、選手からはこのままでは「W杯で勝てない」という言葉も次々に出てきた。3大会連続出場と経験あるDF長友は「この相手でもある程度やれなければ、W杯は厳しいなと率直に思う。積み上げてきた自信も一瞬にして失望に変わるのがW杯」。右MFでフル出場した原口も「今日のような試合をW杯の初戦でやれば(1次リーグを)突破できない」と口にした。

 直前のテスト試合で3連敗したものの16強に進出した南アフリカ大会時の経験はアテにならない。GK川島も「無理やりポジティブになってもしょうがない。締めるところは締めないと」。19日の初戦コロンビア戦まで残り10日を切った。打開策を見いだすにはあまりにも期間は短い。【小杉舞】