サッカーW杯ロシア大会に出場する日本が、ロシア入り前、最後の試合でパラグアイに快勝した。

 西野朗監督(63)は就任3試合目での初勝利。4日前のスイス戦からガラッとメンバーを替え、先発は10人を交代。不動の主力の長谷部誠、吉田麻也、長友佑都らは出番のないまま、ベンチで試合を終えた。

 出ていない選手の声がかれていた。取材エリアで丁寧に対応する長友の後方から、帰りを急ぐ吉田が声を掛けた。その声も、おかしかった。

 吉田 帰るよ、帰るよ。出ていないんだから、話すことないでしょ(笑い)。

 長友 いや、すごい声出していたからさ。

 吉田 今日のMVP!(と長友に)

 長友 みんな、声からしている。

 ほんの一コマ。笑顔のやりとり。ここに勝利に秘密があった。

 長友は言う。

 「見てる選手も、試合前から、自分たちが一緒に戦っている気持ちやろうという声が、何度も飛んでいた。ベンチからも、すごくみんなで声を出していた。自分たちが出た時に、今のところはどうするの? 声をかけて行かせないようにするのか、行かせるようにするから、ラインのコントロールをマヤどうするの? とかいう声がベンチですごく飛んでいた。これこそが、チームが1つになることかなと僕は感じながらいました」

 西野ジャパンに、ようやく明るい兆しを見た。それは、ピッチの中というより、ピッチ外、取材エリアで確信できた。