運命の一戦を迎える日本へ、厳しい予言が突きつけられた。

 占い歴9年の「那須どうぶつ王国」(栃木県那須町)のインコ、オリビア(雄、13歳)が18日、同園でワールドカップ(W杯)ロシア大会の日本の1次リーグ初戦コロンビア戦(19日)の勝敗予想を行い、僅差でのコロンビア勝利と予想した。

 オリビアは15年サッカー女子W杯と昨年のリオ五輪男子サッカーでは、予想した14試合中11試合を的中(的中率78・5%)。もともと08年から同園内で希望者へ行っていた、おみくじ運勢占いの的中率が高く、来園者から「プロポーズが成功した」など喜びの声が続出していたスーパーインコ。今回もこれまで通り、専用の占い台の上に日本、コロンビア、そして引き分けの旗を設置し、オリビアが選択する方式で予想した。

 長いときは5分近く熟考することもあるが、この日は早かった。スタートと同時に両国の間にある引き分けの旗をめがけて突進。勢いよく、くちばしでつかみ取ってそのままフィニッシュ…かと思いきや、ここで終わらないのがオリビアのすごさ。いったん、立ち止まると、何かに吸い寄せられるようにコロンビアの旗へと一直線に走った。

 わずか15秒での即決劇に、見守った約50人の来場客らからは「あぁ~」と悲鳴にも近い声が沸き上がったが、時に残酷な結果を提示することもそれまた宿命。飼育員の及川のぞみさんの元へと戻ると、両翼を広げる得意の「バンザイポーズ」も飛び出し、自信たっぷりな様子をみせた。

 及川さんによると、オリビアが1度選んだ旗を変更した時は、その試合が接戦になることが多いといい、「最後はコロンビアが点をとって勝つということなのだと思う。正直、あんまり迷ってなかったですね。今回は外れてほしいな…」と苦笑いするしかなかった。

 オリビアの予想を見守った仙台市の会社員、内海有貴さん(34)は「日本も経験有る選手が多いし、まだわかりませんから。応援しますよ」と今回のオリビアの予想に逆に発奮した様子。娘の桃佳さん(7)も「オリビアがかわいくて、見れてよかった。日本に勝ってほしい」と諦めていない。

 オリビアの予想は正直すぎたが、同園にはサムライブルー(日本男子代表)の躍進を願う強力なサポーターもいる。今年3月に同園で生まれた14頭の仔羊たち、通称「こひつじイレブン」で、そのモフモフな体に、飼育員手作りの日本代表ユニホームを着て、日々、サッカーボールを追いかけている。オリビアの厳しい予想とは正反対の癒やし系軍団は、日本代表へのお手本!?とばかりに元気にゴールへボールを蹴り込んでいた。

 大人も子どもも、動物たちも?大注目のW杯。日本対コロンビア戦は日本時間19日午後9時キックオフ。

 

 ◆オリビア アフリカ西海岸の森林地帯原産の、インコの一種にあたるヨウム。08年から那須どうぶつ王国内で希望者へおみくじを引く運勢占いを始め、14年からサッカーの勝敗予想も開始。現在、占いは引退し、一般展示もしていないことから、その姿はレギュラー出演中のバードパフォーマンスショーでのみ見ることができる。ヨウムの平均寿命は3~40歳で知能も高く、ペットとしても人気があったが、今年1月にワシントン条約の国際希少野生動植物種に追加されたことから、一般財団法人自然環境研究センターへの登録なしに譲渡し等(売買、譲渡、貸し借りなど)を行うことは法律で禁止されている。