実績のあるベテラン勢が結果を出した。3大会連続出場の3選手、DF長友佑都(31=ガラタサライ)は「おじさんが経験を見せないといけなかった」と胸を張った。主将のMF長谷部誠(34=フランクフルト)のほおには涙が流れ、1失点に抑えたGK川島永嗣(35=メッス)は安堵(あんど)の表情。屈辱的な敗退から4年。前回大会のメンバーが半分以上残り、実績重視の顔ぶれを批判する声を封印した。

 金髪の長友が勝利をかみしめた。満面の笑みで「この勝利はうれしいという感情では表せない」と、最高の喜びを表現。序盤に数的優位に立ったが、相手のカウンターに目を光らせた。前半18分、左サイドからのクロスに飛び込んだMFのJu・クアドラードをマーク、ペナルティーエリア内でボールをクリアすると思わずガッツポーズが出た。「クアドラードには負けたくなかった。それぐらいの気持ちが出た」と照れ笑いした。

 前回のブラジル大会。同じコロンビアに1-4で惨敗して敗退し、ピッチに座り込んだ。一夜明けて「この4年間、この大会にかけてきたのに、こんな一瞬で終わるのかと…」と号泣した。それから4年。家族もできた。試合前には写真をながめ「頑張るぞ、という気持ちになった」といい「たくさんの支えがあって自分自身戦ってきた。ワールドカップの初戦で覆したいという気持ちがあった」。悔しさを晴らすことができた。

 31歳で迎えたW杯。3大会連続出場でベテランと呼ばれる年齢になった。「おじさん連中が経験を見せないと、戦わなければいけなかった」。ガラタサライではチームの午前練習が終わった後、毎日個人で午後練習して2部練習を積む。日頃の努力の結果。この日も「若手選手よりも走ろうと思った」と笑い飛ばした。

 次戦も強敵のセネガル。実は長友が金髪にしてからパラグアイ戦から2連勝。「勝利継続中ですからね、この状態(金髪)でいきます。気をもう1回引き締めたい」。太陽のような長友が代表を明るく照らし続ける。【小杉舞】