ロナウドが無得点でも、ポルトガルは勝ち点1を確保し、2大会ぶりの16強入りを決めた。立役者はW杯初先発の34歳、クアレスマだった。

 イランの堅守を攻めあぐね、迎えた前半45分だった。右サイドでボールを持つと、Ad・シルバとのワンツーで中央へ突進。ペナルティーエリアやや外から、得意な右足外側を使ったキックでのシュートは、鮮やかな弧を描いてゴール左上に吸い込まれた。「少し幸運だった。素晴らしいゴールを決めたのはうれしい」と満足感を漂わせた。

 ユース時代はロナウドとともにポルトガルの強豪スポルティングに所属。高い技術を持つ天才肌として期待を集めてきたが、精神的な波が大きく、潜在能力を生かし切れていなかった。代表でも2年前の欧州選手権制覇に貢献したとはいえ、W杯は今回が初出場だ。

 ロナウドがPKをセーブされるなどエースの働きができなかったが、クアレスマが私生活でも親しい友人の分も活躍した。「決勝トーナメントに進出したことが最も重要だ。勝つ気持ちを持ち続け、次の試合に備えたい」と語り、8強入りがかかるウルグアイとの一戦へ、早くも気を引き締めた。