新型コロナウイルスの感染防止策でロックダウン(都市封鎖)中のフランス・ストラスブールで24日に地元サッカークラブ同士の試合が開かれ、約400人もの観客がピッチに乱入する騒ぎが起こったと25日、英紙サンなどが報じた。

同市のパコマテオ・スタジアムで開催されたノウホフVSオートピエール戦で、ゴールが決まった後、ファンが社会的距離を無視してピッチに突撃し、集まって歓喜する動画や写真がSNSなどで投稿された。

ストラスブールでは、以前からスタジアムのゴールポストの撤去作業に入っていたが、会場となったパコマテオ・スタジアムにはゴールポストが残っていたままだった。地元メディアによると、400人近くの観客が来場。現地警察が警備していたものの、大勢の観客の波を阻止できなかったという。

フランスではロックダウン措置の緩和を始めているが、ストラスブールなど東部地区は感染が収まっていないとして「レッドゾーン」を指定している。なお両クラブは試合について声明を出していない。

同地区選出の議員たちは「今週末の出来事は無責任であり、計り知れないほど深刻である。厳格に非難する」と激怒。地元議会は問題の調査を開始した。このロックダウンルール違反に関し、パリのピティエ・サルペトリエール病院のウイルス学者デレイ教授は「これは『ウイルス爆弾』だ」などと落胆の声明を出すなど“無秩序試合”は波紋を広げている。