女子やり投げのホープ北口榛花(19=日大)が、8月の世界選手権(ロンドン)の代表選考会を兼ねた23日開幕の日本選手権(大阪・ヤンマースタジアム長居)で進化を証明する。今年の初戦だった4月下旬の織田記念国際はケガ明けの不安もあって54メートル64(6位)にとどまったが、5月21日のゴールデンGP川崎では59メートル59。助走距離が他選手の約半分と粗削りながら、力強く右手を振り切って日本勢3番目の5位。「やっと始まったなという感じ。戻ってきている」と手ごたえを感じた。

 15年には東京五輪での活躍が期待される日本陸連の「ダイヤモンドアスリート」に選ばれた。投げるたびに自己記録を更新し、昨年5月のゴールデンGP川崎では日本歴代2位の61メートル38まで伸ばした。その直後に右ひじ靱帯(じんたい)を損傷。その後は思うような調整ができない苦しみの中でもがき、自分のスタイルを見つけた。「今までは無意識に投げてきたが、体の使い方、助走も含めて考えるようになった。長く競技をやるために技術の安定を求めている」と理論派に変貌し、復調につなげた。

 「もう痛みはない」と力強い。自信を取り戻した原石が再び輝きを増していく。【松末守司】

 ◆北口榛花(きたぐち・はるか)1998年(平10)3月16日、北海道旭川市生まれ。旭川東高でやり投げを始める。14年は初出場の日本選手権で10位、高校総体、国体、日本ユースの3冠。15年は日本選手権5位、世界ユースで金メダルを獲得し、高校総体、国体、日本ユースを制し、2年連続3冠を達成した。16年に日大に進学し、5月のゴールデンGP川崎は3位。178センチ。家族は両親。