青学大5連覇の危機を主将が救った。3区で、前回2区区間賞の森田歩希主将(4年)が1時間1分26秒の区間新記録で8位から首位でタスキを渡した。

「本当にうれしいです。前との差は想定通り。梶谷が頑張ってつないでくれた。12キロすぎて前もつまって追いつこうと思った」と笑顔をみせた。

昨年12月29日の区間エントリーでは控えに回った。11月下旬に左脚付け根を痛め、練習が十分に積めていない。原監督の判断だった。

出場も危ぶまれる中、当日のメンバー変更で3区に登録された。1区は3位も、2区は梶谷瑠哉(4年)が遅れる。3区の戸塚中継所では首位から1分5秒遅れの8位でタスキを受けた。

主将の自分の代で、連覇を途切れさせるわけにはいかない。けが明けの不安も関係ない。懸命に腕を振り、ペースをあげる。10キロ手前では5位に順位を引き上げた。スピードは落ちない。11キロ過ぎには2位タイまで上昇。その後は2位集団に差をつけ、首位の東洋大を追った。茅ヶ崎の15キロ地点では1分5秒の差を21秒に短縮した。湘南大橋では7秒差に迫る。残り2キロ。苦しそうな表情を浮かべるも、懸命に手を振る。20キロ手前でぴたりと東洋大・吉川洋次(2年)の後ろにつく。20.4キロで前に出る。今大会初めて青学大が首位に立った。

原晋監督から「区間新が出るぞ」と呼びかけられると、右手をあげて応える。ぐんぐんと差を広げ、ガッツポーズも見せた。区間新記録で、5連覇に近づく首位で平塚中継所に入った。

けがの情報は嘘だったのではないか。そう思わせる快走だった。