日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(63)が7日、さいたま市内で、さいたま国際マラソンのトークショーに参加した。

20年東京オリンピック(五輪)のマラソンコースが東京から札幌に移った問題について「言いたくてしょうがない。今日は、ぼやきに来たんだから」。司会者から「スポーツ紙の記事になる」と告げられると「日刊スポーツがいます」と“指名”し、思いのたけをぶちまけた。

「3年前からMGCを作って、コースも同じように設定をして、あとは本番だけだったのに。それはないでしょ。だったら3年前から札幌にしてくれていたら、よかったのに。そしたらMGCも札幌でやった。悔しい」

日本陸連は20年東京五輪の代表選考レースとしてマラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)を新設。コース、気象と本番に近い環境をつくった。東京の暑さで少しでも、いい結果を残すため、入念な準備を重ねてきたのに、「それが札幌ですよ」とぽつり。そして「札幌ラーメンはもう30杯ぐらい食べた。サッポロビールは100本ぐらい飲んじゃった」と笑いを誘った。

五輪の情報に関しては「知らないことばかり。いつもインターネットのニュースで知る。俺、マラソンのリーダーなんだよ」と嘆き節。マラソンは前半の約20キロ分までは決定したが、後半は合意に至っていない。瀬古リーダーは世界陸連が推奨している約7キロを3周するコースの方が、運営面や観戦のしやすさなどの理由から望ましいとの考えを示した。

さいたま国際マラソンに関しては、2時間21分53秒の自己記録を持つベレイネシュ・オルジラ(29=エチオピア)が優勝すると予想し、「普通に走れば、後半は独走になるのではないか」と話した。ともに登壇した川内優輝(32=あいおいニッセイ同和損保)は「坂より風。風向きによって自重するか、そのまま行くかを決めることになる」とコースのポイントを語った。