全国高校総体陸上競技の代替大会「全国高等学校陸上競技大会2020」が23日、エディオンスタジアム広島で開幕する。注目は、女子400メートル障害に出場の常盤木学園(宮城)・日下あやな(2年)で、競技歴わずか10カ月ながら東北高校新人大会(3日=岩手・北上市)を制覇するなど、急成長を遂げている。

中学時は短距離の選手だったが、高校進学後は400メートルに転向。さらに、昨年12月に転機が訪れた。日下がハードルを跳ぶ姿を見た先輩が、その技術やフォームを絶賛。遠藤ひろみ監督に進言したことで転向が決まった。遠藤監督は「センスがあった。400メートルを走っていたのでハードルも挑戦してみよう」と背中を押し、本格的に取り組むようになった。

今年初の公式戦、8月の県総体代替大会ではいきなりの優勝。続く県新人は2位だったが、東北大会決勝では県大会で負けた相手にリベンジし、東北女王に輝いた。新チームでは部長を務める日下は「みんなに良い勢いをつけたくて1位になりたかった。最後まで諦めない気持ちで走れたのは良かった」と笑顔。目前に迫った全国大会に向け「周りは速い方が多くて緊張するけど、来年につながる走りをしたい」。初の大舞台でも、しっかり爪跡を残してみせる。【相沢孔志】

◆日下(くさか)あやな 2003年(平15)11月10日生まれ、仙台市出身。蒲町中1年時に競技を始め、中学3年時に200メートルで県4位。常盤木学園では今年の県総体代替大会で400メートル障害と1600メートルリレーで優勝。県選手権400メートル障害優勝。東北高校新人400メートル障害と1600メートルリレー優勝。自己ベストは1分1秒97。身長156・8センチ。好物はチョコレート。