今週は、米NFLのシンシナティ・ベンガルズの専属チアリーダー「ベンギャルズ」で、2シーズン目を迎えている山口紗貴子さんを紹介する。山口さんは5年間にわたる挑戦を繰り返し、昨季、ベンガルズのオーディションに39歳で合格。NFLの日本人最年長ルーキーとなった。

39歳でNFLベンガルズのチアになった山口さん
39歳でNFLベンガルズのチアになった山口さん

-5年間のNFL挑戦を振り返ると

山口 1年目は、何を準備していいか分からず、準備も中途半端でした。現地での生活を楽しむこともできず、つらい記憶だけが残りました。チアをやめたいとも思いました。2年目に初めてファイナル審査まで行けました。自信を取り戻し、課題も明確になりました。

-初めて合格した昨シーズンを振り返ると

山口 チームの練習と生活、自主練習、トレーニングで精いっぱい。とにかく必死。英語でのコミュニケーションに加え、ベンガルズ独特のダンススタイルに合わせることが難しかったです。楽しかったことは、念願の試合で踊れたことや、ファンと直接話ができたこと。初めて芝を踏んだ時の感動は一生忘れません。

-チームの練習は

山口 ポールブラウンスタジアムで約2時間半~3時間の練習を週2~3回。試合に出られるのは28中24人で、毎試合チェックがあるので気が抜けません。

-日本のファンにメッセージを

山口 日本とアメリカでたくさんの方に助けていただき、応援していただき、今があります。「夢を追う」というと格好良く聞こえますが、実際には泥臭く、地道な作業の積み重ねです。何度泣いたかも分かりません。ただ、達成した後には素晴らしい景色や経験がたくさん待っていました。何か始めたいと思っているけど勇気がない方、年齢や環境でちゅうちょしている方は、1歩でなくても、つま先だけでも踏み出してほしいなと思います。【元NFLチアリーダー松崎美奈子】

本拠のスタジアムに立つ山口さん(C)SteveFrance
本拠のスタジアムに立つ山口さん(C)SteveFrance

◆山口紗貴子(やまぐち・さきこ)東京都出身。玉川大でチアダンスを始め、Xリーグ・オービックシーガルズ、オールスタープロチアリーダーズなどでチアリーダーとして活動。ベンガルズは9月8日(現地時間)にレギュラーシーズン開幕戦を迎えた。11月10日にレイブンズ(ホーム)と戦う。