元NFL、NBAチアリーダーの柳下容子さんに2回にわたって話を聞きました。前編は、代表を務めるチアダンスチーム「東京ガールズ」についてで、チームが一番大切にしている“笑顔”の極意とは。

東京ガールズ(C)TOKYO GIRLS
東京ガールズ(C)TOKYO GIRLS

東京ガールズは、bjリーグ東京アパッチの専属ダンサーとして2010年に発足した。初代は、元NBAクリッパーズのチアリーダー、クリスティンがディレクター兼チームリーダーで、NBAやNFLなどで活動していた米国人9人と日本人3人だった。元NBA、NFLのチアリーダーの柳下容子さんがエンターテインメントマネジャーを務め、本場NBAのような迫力あふれるパフォーマンスを繰り広げた。

18年バレーボール女子世界選手権に出演(C)TOKYO GIRLS
18年バレーボール女子世界選手権に出演(C)TOKYO GIRLS

チームの転機は11年だった。3月の東日本大震災でbjリーグが一時中断し、米国人メンバーは帰国。「今だからこそできること。日本を応援しよう!」と、復興イベントを行っていた柳下さんたちに、8月のバレーボール女子ワールドグランプリへの出演依頼がきた。「NBAスタイルの、ダンサブルで洗練されたかっこ良さを、違う形で表現しよう」。メンバーを増やし、笑顔、パフォーマンス、応援、立ち方、メークなど全てにプロ意識を持つ新たな東京ガールズがスタートした。

チームのモットーは「とにかく全力で笑う!」。現代表の柳下さんは、メンバーの“笑顔力”を鍛えるため、自分の笑顔写真をたくさん撮るように指導する。「実際に写真で見ることで、笑っているつもりでも、笑っていなかったと気づくことがあります。また、いろいろな表情を作ることで、自分の好きな笑顔を見つけることができ、自信にもつながります」。

19年にNBAクリッパーズの試合でのパフォーマンス(C)TOKYO GIRLS
19年にNBAクリッパーズの試合でのパフォーマンス(C)TOKYO GIRLS

苦しい時こそ笑顔。筋トレなどつらい練習中も、誰かが笑えばメンバーみんなに笑顔の輪が広がる。笑顔になることで、体力やチームワークも強化される。

オフィシャルチアリーダーとして出演した18年バレーボール女子世界選手権。横浜アリーナを埋め尽くすファンと一緒に、日本の応援コール「ニッポン・チャチャチャ」で手をたたき、応援の楽しさを分かち合った。柳下さんはファンを巻き込んで勢いを選手に届けるため、メンバーに「1人が約200人を担当し応援をリードしよう」と伝えていた。

ストリートボールリーグに出演(C)2018 3×3.EXE
ストリートボールリーグに出演(C)2018 3×3.EXE

ゲスト出演した19年のNBAクリッパーズのプレゲームショーでは、メンバーにこう伝えた。「相手の心に笑顔を届けることが大切です。笑顔が飛び散り、キラキラ舞う! リハーサル中、苦しい時こそ笑顔。それが本番に生かされます。そのためにメンバー全員が、心から目を見開いて、全力で笑顔を作ること。チアリーダーのキラキラ輝いた表情や笑顔が子どもたちの憧れになります」。そのパフォーマンスは会場を笑顔にした。「応援が選手やファンのパワーに変わり、試合をリードすることもできます。冷静かつ情熱的であり、勝ち負けを共有できるのがプロのチアリーダー」と話した。

チームが発足当初から掲げているのが「あなたを応援します! 日本を応援します!」のスローガンだ。

「心から人を応援することは、自分自身がちゃんと立っていないとできない。チアになったことで、普段から笑顔で元気を伝えられたり、人から必要とされる人になってもらえれば。今後は、チアリーダーとしてどんなことができるかを模索しながら、チアの魅力をたくさんの方に伝えていきたいです」

東京ガールズの初代メンバー(C)TOKYO GIRLS
東京ガールズの初代メンバー(C)TOKYO GIRLS

◆東京ガールズ メンバーは現在14人。拠点は東京。練習は都内ゴールドジムで週2回で約2~3時間。20-21新メンバーオーディションファイナルは8月1日に開催。東京ガールズのインスタグラムのアカウントは、@tokyogirls_official