186センチの飛ばし屋、星野陸也(22=フリー)が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算2アンダーの214で首位と4打差7位に浮上した。41位で迎えた22歳の誕生日に猛チャージに成功し、初優勝での日本タイトルも狙える位置につけた。藤本佳則(28)が6アンダーで単独首位に立ち、5年ぶりのツアー通算3勝目に王手をかけた。

 スタートホールで誕生日を迎えたことを紹介された星野は、ギャラリーから温かい拍手で祝福された。「変なスコアで回れないと思った。良かったです」と声を弾ませた。予選で135位、124位に低迷していたフェアウエーキープ率が、この日は12位と持ち直した。「調子が悪い時は難しいことをやらない。それがうまくいった」。2度の連続バーディーなど、安定感を取り戻したショットにパットもかみ合った。

 ホールアウト後の公開インタビューでは、同じ会場で開催されたジュニアリーグに参加した子どもたちの姿もあった。自身の少年時代を「とにかくよく寝ていました」と懐かしそうに振り返った。ゴルフと並行してサッカー、水泳、ギター、ピアノ、学習塾に通い「月曜日から日曜日まで予定がビッシリだった」と言う。テレビゲームは禁止で、スマートフォンを買ってもらったのは中学3年から。「夜9時には必ず寝ていた」という生活で、小学校卒業時に160センチ台半ばだった身長は、高校入学時に180センチを超えた。

 186センチの長距離砲誕生の秘訣(ひけつ)を問われると「絶対、寝たからですよ」と真顔で言った。身長は止まったが、ゴルフは伸び盛りだ。「今年中に1勝したい」とした22歳の誓い。5年シードの日本タイトルなら最高だ。若さと勢い、自慢のビッグドライブで頂点に届くチャージを期した。【亀山泰宏】

 ◆星野陸也(ほしの・りくや)1996年(平8)5月12日、茨城・友部町(現笠間市)生まれ。小学1年でゴルフを始め、幼少時から交流のあった石川遼に憧れて本格的に取り組む。水城高2、3年で関東ジュニア連覇。日大を2年で中退し、16年8月にプロ転向。賞金ランク31位で初シードを確保した昨季はドライビングディスタンス9位、日本人では3番手だった。石川とは同じ所属事務所。186センチ、75キロ。