【ロチェスター(米ニューヨーク州)5日(日本時間6日)=加藤裕一】来季の米ツアーシード奪取へ、松山英樹(21=東北福祉大)に追い風が吹いた。当初は出場を断られていた今季ツアー最終戦、15日開幕のウィンダム選手権への主催者推薦出場が一転、決定した。松山の実力が評価されたもので、8日開幕の今季メジャー最終戦・全米プロ選手権で来季シード権を確定できなかった場合でも、もう1試合の猶予ができた。

 来季の米ツアーシード権獲得へ、松山に強力なバックアッププランが整った。東北福祉大ゴルフ部の阿部靖彦監督(51)によると、今季ツアー最終戦となる15日開幕のウィンダム選手権への出場が一転、決定した。松山側は主催者推薦出場を打診していたが、当初は「米ツアーメンバーの出場を優先したい」と断られていた。ところが、主催者側が「全英オープン6位」などの実績を高く評価し、GOサインが出たという。

 松山は先週のブリヂストン招待21位で、来季シード獲得圏の賞金ランク125位相当に浮上。昨年の125位実績=64万7510ドルまで残り6万4437ドルまで迫った。今週の全米プロ選手権で25位前後となれば安全圏に突入するが、プラス1試合の“保険”を獲得したことは精神的にも大きい。

 松山はこの日夕方、全米プロ会場のオークヒルCC入り。テレビ中継の仕事で現地入りした加瀬秀樹プロ(52)にアドレスのチェックを受けた。しばしば微妙にオープンスタンスになり、視線がズレてしまう点を修正。手応え十分な当たりが飛び始めると「ゴルフが楽しくなってきた。あ~すっきりした。いいきっかけを見つけてもらいました」と話した。

 ウィンダム選手権出場の吉報には「うれしいですね」と笑みを見せたが、まずは今大会でシード当確を決めることしか頭にない。「まず予選を通らないとダメ。シードの問題はそれからです」と、予選通過とV争いに意欲を見せた。