高校総体覇者の明成(宮城)が土浦日大(茨城)に逆転勝ちし、3年連続4度目の優勝を決めた。20年東京五輪を目指す超高校級プレーヤー、八村塁(3年)は34得点を挙げる大活躍。98年の田臥勇太が達成して以来となる3年連続のベスト5も獲得した。

 国体決勝で土浦日大主体の茨城代表に敗れた、そのリベンジを果たした。八村は長い腕を目いっぱい伸ばし、リバウンドとシュートブロックで圧倒。ゴール下は独壇場だった。「リバウンドがすごく取れた。それがこの結果につながった」と笑顔で胸を張った。

 狙い通りのラストスパートだ。第3クオーター(Q)を54-57でリードされて終えた。「とにかく我慢して、流れがきた瞬間に一気に攻めようと話していた。そのとおりにできた」。最終Qの開始から約3分で、64-57と逆転した。毎日の練習から、苦しいときにに力を出すための練習を積んできた。「走る練習ひとつでも、5往復するなら最後1往復はペースを上げたりした」。信じた練習どおりのバスケットで、高校総体に続く頂点を勝ち取った。

 昨年8月に16歳で出場したU-17世界選手権では優勝した米国相手に25得点をあげ、大会得点王。世界で戦える実力を見せた。今夏は日本代表候補にも選ばれ、卒業後に米ゴンザガ大への進学が決定的となっている。全米体育協会(NCAA)1部の名門から熱烈な勧誘を受け、合意に至った。その他にも米国の大学十数校からオファーを受けていた八村は「すごくモチベーションになる」と話した。現在、日本でNBAにもっとも近い選手だ。

 バスケットボールが楽しくて仕方ない。苦しい練習も「自分が成長できると思うと、痛めつけられているのがいいというか」と、仰天の価値観を明かした。「英語の勉強だって、アメリカでバスケができるようになると思えば頑張れる」。17歳の成長はまだまだ続きそうだ。【岡崎悠利】

 ◆八村塁(はちむら・るい)1998年(平10)2月8日、富山市生まれ。奥田中1年からバスケットボールを始め、明成入学。13年U-16日本代表でアジア選手権3位。14年U-17日本代表で世界選手権に出場し、1試合平均22・1得点で得点王。家族は西アフリカ・ベナン人の父と日本人の母、弟、妹2人。弟阿蓮(あれん)は明成1年で、既に兄弟同時にコートに立っている。201センチ、98キロ。

 ◆男子ベスト5 納見悠仁、八村塁(明成)平岩玄、松脇圭志(土浦日大)盛実海翔(能代工)