競泳平泳ぎの北島康介(33=日本コカ・コーラ)が5大会連続五輪出場へ、限りなく近づいた。男子100メートル平泳ぎ準決勝で、派遣標準記録を100分の1秒上回る59秒62と全体のトップで今日5日の決勝進出を決めた。13年夏の世界選手権以来の59秒台。五輪出場はもちろん、4年前に出した58秒90の日本記録更新も現実味を帯びてきた。

 重圧を楽しめる。独特の緊張感が漂う一発選考会。5度目の五輪に挑む33歳にとっては、集中力を発揮する最高の場所になる。「この緊張感があるから高いパフォーマンスができる。僕にはこの緊張感が合っている」。予選から1分0秒07の今季自己ベストで勢いに乗ると、準決勝もただ1人の59秒台を出した。

 「昔は59秒台が出まくっていたのに、こんなに苦しむとは思っていなかった」。昨年の日本選手権では0秒14差で2年連続の代表落選。シーズン前は引退を決めていたが、レースで手応えを得たこと、五輪が1年後に迫ることで現役続行を決断した。中学2年から指導を受ける平井氏が監督を務める東洋大の萩野ら、12歳下の学生と朝練を含めて週6日、練習を続けてきた。

 33歳。腕、肘、膝と常に痛みを抱える。10、20代の学生と追い込みすぎると、体調を崩す。先月のスペイン高地合宿の終盤も持病のへんとう炎を患い、40度近い高熱が出た。一時は声も出ず、帰国後は入院も考えた。大会2週間前の危機だったが「免疫力は落ちたが、練習で出し切ったということ」と前向きにとらえて試練に耐えた。

 今日5日、運命の決勝。この日の準決勝同様、派遣標準記録を上回り、2位以内に入れば、夏季では日本男子初の5大会連続五輪出場が決まる。目標は自身の日本記録58秒90の更新。水泳界では頂点を極めた大ベテラン33歳が、再び過去の自分を超えようとしている。