女子日本代表「スマイルジャパン」が、日本勢の平昌五輪出場決定第1号へ王手をかけた。世界ランク7位の日本は4-1で同12位のフランスを下し、2連勝の勝ち点6で首位を守った。第1ピリオド(P)にFW中村亜実(29=西武)が先制し、試合の流れをつくった。ドイツはオーストリアに4-1で勝利し、勝ち点5。今日12日の日本-ドイツ戦の勝者が五輪出場権を得る。
会心の立ち上がりだった。日本は開始と同時に激しく攻める。初戦のオーストリア戦ではおぼつかなかったスケーティングは見違えるようだ。機先を制した日本に第1P2分21秒、中村の先制ゴールが生まれた。
右サイドをパワフルに駆け上がるFW久保と、ピッタリ食らい付く中村。久保は「私が打っても入る自信はありましたけど、中村が見えたので、パスしてあげました」。オーストリア戦でハットトリックの点取り屋が、中村に託す。中村は「目があって、久保さんから、やさし~くパスが来ました。本当に打ちやすかったです」と、笑った。
運動量とスピード、それがスマイルジャパン最大の武器だ。オーストリア戦では緊張が硬さになり、第1Pを1-1。みんなが暗い顔で沈み込んだ。重苦しい空気を切り裂いたのが中村の声だった。「私たちはスマイルジャパンでしょ。笑顔でやろう。思い切ってプレーしよう」。この言葉にFW米山も、勝ち越し点のDF小池も奮い立った。
主将が大沢、攻撃の原動力が久保なら、中村は精神的支柱。「私の役割はチームのムードを変えることです。今までは笑いでしたが、今は質が変わりました。元気づけるというか、雰囲気を変えるようになりました」。
試合前、控室に五輪に関係するCMソングが流れていた。中村のまぶたに景色が浮かんだ。「想像できたんです。メダルをかけられていて。アメリカとカナダの隣に日本の国旗があって。それを実現できる実感が」。中村がリンクで躍動すれば、チームも連動して動きだす。シュートする仲間へ中村はいつもこう言う。「私に当ててもいいから思い切って打って。私は日本の壁になる」。連続五輪出場へ、あと1勝。ライバルドイツと雌雄を決する。【井上真】
◆順位決定方法 4チームが総当たりで対戦し、勝ち点の合計の1位が平昌五輪出場権を獲得する。勝ち点は勝ちは3点、負けは0点。第3ピリオド終了時で同点で、5分間の延長戦またはゲームウイニングショットで決着の場合は勝ちは2点、負けは1点。3試合を終えて勝ち点の合計が並んだ場合は当該チームの対戦での勝者が上位。


