世界9位の錦織圭(27=日清食品)が、3度も悪夢に見舞われた。同38位のハチャノフ(ロシア)と対戦し、第1セット2-3の第6ゲーム途中で、左臀部(でんぶ)を痛めて棄権した。15年は左ふくらはぎ、16年は腹筋を痛め、この大会途中で棄権。3年連続での棄権敗退となった。次戦は7月3日開幕のウィンブルドンに出場予定だ。

 鬼門以外の何物でもない。絶好調のプレーから、突然のケガに、さすがの錦織も、あきれるしかなかった。コート上で立ちつくし、笑みさえ浮かべた。「予兆がなかっただけに、ちょっとびっくり」。これで3年連続で棄権での敗退だ。

 滑り出しは問題なかった。ラケットを振り切れて、ショットは勢いを増した。1回戦を経験し、前日はダブルスも戦った。芝にも慣れ、自己最高位を更新する新星を振り回した。それが、2オールでブレークポイントを握った瞬間のケガだった。

 「今はものすごく痛い」と言うが、医師の診察によると1週間程度で治る見通しという。しかし、これで世界8位に浮上する機会を逃し、ウィンブルドンは上位8シードから漏れる可能性が高い。「1週間休んで、ウィンブルドンに向けて準備したい」と話すのが精いっぱいだった。