日本財団による「HEROsプロジェクト」の発表会見が30日、都内で行われ、発案者で同プロジェクトのアンバサダーを務める、元サッカー日本代表MFの中田英寿さん(40)、柔道男子日本代表の井上康生監督(39)、シドニー五輪競泳代表で現在は日本水泳連盟理事の萩原智子さん(37)ら、14人のアスリートが出席した。

 今まで各アスリートが個別に行ってきた社会貢献活動を、日本財団のネットワークや組織力を生かし、競技種目を越えた交流、コラボレーションを行い、活動の幅を広げていくことを視野に入れている。現在決まっているのは、12月11日に「HEROs AWARD2017」として、スポーツの力を生かした社会貢献活動の認知を上げたアスリートや球団、スポーツ関連の組織団体の表彰式を予定している。同表彰の審査員はタレントで元SMAPの香取慎吾(40)らが務める。

 中田さんは「現役時代はほかの競技の選手と会うことはほとんどなかった。一緒にやればもっと大きなことができるんじゃないかと思った」と動機を説明。「今、FIFAでも財団を作っていろんな活動をしていくことを視野に入れている。みんなの情報を集めて整理していく。今回の活動のようなことは、世界中で広がっていくのではないかな」と胸を躍らせた。

 井上監督も「スポーツには戦うことだけではなく、個と個、国と国をつなげる力がある」。萩原さんは「私1人の力では小さなことしかできないので、夢を伝えるためにもこのみんなの力は大きいと思います」と述べた。

 NBAも経験したバスケットボールの田臥勇太(37=栃木ブレックス)は、米国でのアスリートの社会貢献活動が活発であることに触れ「互いを成長させる機会だと思うし、バスケを通じて自分にできることをしたい」と話した。

 今回、日本財団HEROsアンバサダーに就任したのは以下の19名(敬称略)

 ハンドボール東俊介(42)、バドミントン池田信太郎(36)、柔道井上康生、パラアイスホッケー上原大祐(35)、バレーボール大林素子(50)、シンクロナイズドスイミング奥野史子(45)、パラ水泳河合純一(42)、サッカー川澄奈穂美(32=シアトル・レイン)、モータースポーツ佐藤琢磨(40=ホンダ)、ヨット白石康次郎(50)、バスケットボール田臥勇太、サッカー中田英寿、ボートレース長嶋万記(36)、車いすバスケットボール根木慎志(53)、水泳荻原智子、野球松井秀喜(43)、卓球松下浩二(50)、ボクシング村田諒太(31=帝拳)、バレーボール山本隆弘(39)。