新潟アルビレックスBBがサンロッカーズ渋谷を74-69で破り、前節三遠ネオフェニックス戦から2連勝した。パワーフォワード(PF)鵜沢潤(36)がいぶし銀のプレー。コート上の外国人選手の数が1対2と不利な第1クオーター(Q)、相手外国人選手らとマッチアップしながら失点を抑え、流れをつくった。攻撃でも日本人最多の10得点を挙げた。新潟の順位は中地区4位でチャンピオンシップ(CS)進出圏の2位名古屋ダイヤモンドドルフィンズとは2ゲーム差のままだが、3位三遠には1ゲーム差に迫った。

 リング下にPF鵜沢が立ちはだかった。第1Qだ。突破を図るSR渋谷のPFジュシュ・ハレルソン(29)に対し、胸を突き出して止める。「ドリブルで内に入らせなければ、あとは味方がカバーしてくれる」。この体を張った守備の連続が勝利の流れをつくった。

 第1Q、SR渋谷の外国人選手数の申請はオンザコート2。208センチのハレルソンと213センチのセンター(C)ロバート・サクレ(28)を投入してきた。新潟はオンザコート1。Cダバンテ・ガードナー(26)1人だった。必然的に196センチの鵜沢と外国人選手のマッチアップに。「正直想定外だった」。試合前、SR渋谷もオン1で来ると踏んでいたからだ。

 予想が外れて一見、不利な状況。ただ、動揺はなかった。第2Qになれば新潟はオン2で、SR渋谷はオン1。「ここをしのげばうちが有利。ファウルしても、簡単なシュートは打たせない」。相手のフェイントに惑わされずに向き合い、シュートには恐れずにブロックに行く。第1Q、スコアは17-18と1点ビハインドにとどめた。第2Qの新潟のスコアは21-7。前半で逆転した。鵜沢の献身的なプレーが実を結んだ。

 攻撃でも3点シュート2本を含む10得点。チームの日本人選手トップスコアラーになった。前節三遠戦の1戦目(17日)、66-88で敗れた後の夕食で、PG五十嵐圭(37)とともに験かつぎのトンカツを食べた。すると翌日は85-73で勝利。SR渋谷戦前夜の23日は、牛肉の料理にした。そしてこの日の連勝。「肉のおかげかな」と笑う。

 新潟はCS進出争いに食らいついている。この日、大阪を破った名古屋Dを追走し、千葉に敗れた3位三遠とは1ゲーム差に。「うちはチャレンジャー。今日以上にハードに戦わないと」。勢いを感じながらも、鵜沢は今日25日の2戦目に向け気を引き締め直した。【斎藤慎一郎】

 ◆外国人選手出場数・オンザコートルール Bリーグでは1チーム3人の外国人選手が登録できる。試合は1試合最大で延べ6人が出場可能。各Qの最大出場人数は2人までで、試合前に事前申請。この日、新潟のオンザコート数の内訳は第1Qから順に「1-2-1-2」、渋谷は「2-1-1-2」だった。