男子シングルスで世界ランキング7位の桃田賢斗(23=NTT東日本)が無期限出場停止の挫折を乗り越え、世界の頂点に立った世界ランク3位の石宇奇(中国)を2-0で下し、この種目で日本男子初の金メダルを獲得した。

 桃田の激動のバドミントン人生を振り返る。

 

桃田賢斗(ももた・けんと)

 ★生まれ 1994年(平6)9月1日、香川県三豊市生まれ。吉津小2年からバドミントンを始めた。

 ★スーパーマン 名前の由来は米劇画「スーパーマン」の主人公クラーク・ケント。父信弘さんが「世界で1番強い男になるように」と名付けられた。

 ★天才少年 小学6年の全国小学選手権シングルスで優勝。富岡第1中3年時の09年全国中学選手権で優勝。富岡高2年時の11年世界ジュニア銅メダル。同3年時の世界ジュニアは日本勢初の優勝を飾った。

 ★五輪金メダル候補 高校卒業後の13年春にNTT東日本入社。14年の国別対抗トマス杯では日本初優勝に貢献。15年世界選手権では日本男子初の銅メダルを獲得した。同年12月の全日本総合選手権初優勝、プロツアーの最高峰スーパーシリーズ・ファイナルで優勝。16年4月には世界ランキング最高2位まで上り詰めた。

 ★挫折 金メダルが期待されたリオオリンピック(五輪)4カ月前の16年4月、違法賭博行為が判明。日本協会から無期限競技会出場停止処分を受ける。

 ★サポート役 1カ月の謹慎を経て練習に復帰。試合は出場できないため、シャトル拾いを含め、周囲のサポート役に徹する。バドミントン教室にも積極的に参加。純粋に競技を楽しむ子供たちの姿勢を見て、原点回帰。自身もプレーできる喜びを痛感する。

 ★復帰 17年5月に大会復帰。世界ランクのポイントがなく、下部の海外大会に出たこともあり、同11月の全日本総合選手権まで60勝1敗と連勝街道を歩み、世界ランクを上げた。今年に入ると、五輪3度の銀メダリスト、リー・チョンウェイ(マレーシア)、世界ランク1位のアクセルセン(デンマーク)ら強豪を次々撃破。世界ランクは282位から6位まで上げた。(現在は7位)