全日本柔道連盟(全柔連)は19日、人気怪獣のゴジラとコラボし、男女日本代表の愛称を「ゴジラジャパン」とすることを発表した。

愛称のきっかけは、全柔連科学研究部と筑波大で共同開発した分析システム「ゴジラ」だった。同部は数年前から海外選手が出場した世界選手権やグランドスラム大会など主要大会の映像とデータを取得。男女全階級において2000人以上、約1万試合の映像を独自に分析し、技の種類や精度、時間帯ごとの得失点などを事細かく数値化した。システムの名称は「Gold Judo Ippon Revolution Accordance」(金・柔道・一本・革命・調和)で、スタッフ間では頭文字を取って、通称「GOJIRA(ゴジラ)」と呼んでいた。16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)前後に同システムが報道され、その後、ゴジラの商標・著作権を保有する映画会社の東宝から「商標侵害ではないか」と指摘された。しかし、東宝側から「使用は困るけど、一緒に何か出来ませんか」との提案があり、協議の末、コラボが実現した。

15日の全柔連の理事会では一部の理事から「ゴジラは礼儀正しいのか」「破壊のイメージは柔道が目指すものと違うのでは」などとの慎重論もあったが、賛成多数で決まった。

ゴジラは1954年(昭29)11月に第1作が公開され、約961万人を動員する大ヒットを記録した。その後のシリーズではゴジラが別の怪獣と戦う設定となり、モスラやミニラなどもなじみとなった。その後もメカゴジラ、スペースゴジラなどが登場し、全29作で1億人以上を動員。15年には東京・新宿のコマ劇場跡地に開業した新宿東宝ビル8階テラスにゴジラの頭部をかたどったオブジェ「ゴジラヘッド」が設置され、歌舞伎町の観光名所となっている。