ショートプログラム(SP)4位の宇野昌磨(21=トヨタ自動車)がフリー4位の164・95点を記録し、合計252・24点で4位になった。

序盤の4回転トーループは跳びきる寸前に回避。転倒こそしたが、最終盤に回避したトーループを組み込む意地を見せた。SP首位のサマリン(ロシア)が優勝し、GPファイナル(12月、イタリア・トリノ)出場を決めた。SP7位の友野一希(同大)は8位となった。

宇野の意地が詰まっていた。冒頭に4回転サルコーで転倒。続く4回転トーループは跳ぶ寸前で、異例の回避を選んだ。「靴の中がずれた。『どうしよう』と思っていたら、本当にスルーしやがって」。自分を客観的に見て苦笑するほどの流れとなり、以降のジャンプは回転不足がありながらも着氷。「気付いたら最後の方だった」。最終盤、本来であればジャンプを全て終えている局面で、回避した4回転トーループに挑んだ。転倒となったが、今大会に同行したランビエル・コーチから「グッドファイト!」とねぎらわれた。

2週間前の第3戦フランス杯では8位と低迷。シリーズ2戦上位6人が権利を得るファイナルへの5年連続出場は、今大会前に絶望的となっていた。メインコーチ不在で挑む今季だが、GP2戦を終えて表情は明るい。「シーズン後半に向けて間に合わせようと思っている。しっかりと戻ってこられるようにしたい」。12月の全日本選手権(東京)に照準を定め、巻き返しのスピードを上げていく。