柔道界も「にわかファン」をゲット!? 柔道男子代表の井上康生監督(42)が30日、柔道界の今後の未来について熱く語った。

スポーツビジネスのPRなどを手掛ける「HALF TIME」が企画したオンラインカンファレンスに参加。競技人口がここ5年で約5万人減少し、少子化の中で競技を普及させるためにも“変革”が重要と主張した。「強さだけでない魅力が必要。これまでのやる側の目線だけでなく、見てもらう側の視点を考える必要がある。ただ勝つだけでは柔道は発展しない」。

19年世界選手権東京大会では、決まり技をスローモーションで撮影した360度カメラや、五輪メダリストの副音声解説などを初導入した。これらを一例として、今後は競技を知らない人に向けて「柔道をいかに分かりやすく伝えるか」を課題に挙げた。

「柔道の魅力を理解してもらった上で引き込むことが大事。これまでの古き良きものを残しつつ、一方で時代に合わせて変えることも大切。柔道界は変えられる要素がたくさんある。憧れをもたれるような団体や選手になることが競技普及につながると考える」

日本柔道において、選手強化は各所属での稽古が中心となる。コロナ禍の影響で代表活動も中断し、より所属企業や大学との連携が大切で、「組織力」も日本の強みであることを強調。1年延期になった東京五輪に向け、「この力なくして強化は図れない。道場、大学、所属などと一層連携して柔道の強さや価値を発信していきたい」と言葉に力を込めた。

カンファレンスには、競泳五輪2大会連続2冠の北島康介氏(37)、18年平昌五輪カーリング女子銅メダル本橋麻里(34)、ラグビー元日本代表の大畑大介氏(44)も参加した。