18、19年世界選手権優勝のネーサン・チェン(21=米国)が111・17点の高得点で首位発進を決めた。ほぼ完璧な演技で、羽生結弦が2月の4大陸選手権で記録した世界最高得点111・82点に肉薄した。

新型コロナウイルスの感染拡大により、今季のグランプリ(GP)シリーズは変則開催に。「1人1大会」「母国または練習拠点国(エリア)」に出場が制限される中で迎えた開幕戦だった。

10月3日のジャパンオープンにゲストスケーターとしてVTR出演した際には、「今までと違うプログラムで滑ります。スペインのラテン系です」と紹介した映画「デスペラード」の曲を使う新SP。無観客の会場の中で、さっそうと滑り出す。

冒頭の4回転トーループ-3回転トーループを高速回転で決めて3・61点の加点を得ると、トリプルアクセル(3回転半)、後半の4回転フリップも危なげなし。ステップ、スピンでも、鋭さとダイナミックさを体現して最高のレベル4としてフィニッシュを迎えた。

今季は統計学を学ぶイエール大学の休学を決断した。22年北京五輪へ向けて、スケートに専念する。アルトゥニアン・コーチとも改善点を話し合い、さらなる進化を目指していく。