第5シードのバッカニアーズ(南地区2位)が決勝進出し、QBトム・ブレイディ(43)が10度目のスーパーボウル出場に王手をかけた。第2シードのセインツ(南地区1位)と第3Qまで20-20から、第4QにFGで勝ち越し。さらにブレイディが1ヤードTDランを挙げ、ドリュー・ブリーズ(42)とのベテランQB対決を30-20で制した。24日の決勝では第1シードのパッカーズ(北地区1位)と対戦する。

ブレイディの意地のTDだった。3点リード後に守備がインターセプト。敵陣深くから攻撃のチャンスにゴール前1ヤードまで進む。最後は自ら体をねじ込むTDランで、1TD差以上となる差をつけた。パスでは2TDを挙げて、52試合目のプレーオフで32勝目をマークとなった。

同地区のセインツには、レギュラーシーズンで連敗していた。ブレイディは2試合で5インターセプトを喫して散々だった。この試合はインターセプトを許さず、守備では3インターセプトに1ファンブルリターンをマーク。このチャンスをことごとく生かして、3TDをものにした。

攻撃ではダウン更新、ラン、パス、合計の距離、時間といずれもほぼ互角だった。勝負を分けたのがターンオーバー。ブレイディは「守備がカギだった。やられたら、やり返す。それがフットボール」とニヤリとした。

ブリーズは今季で引退の可能性もあり、両雄の最後の対決かと注目された。2人合わせて87歳。試合前には2人の写真をおじいさんのように加工し、SNSに「ロジャースは18カ月も若い」と投稿。経験の差を試合でも証明して見せた。試合後には「引退かは本人次第だが、素晴らしい選手だ」とたたえていた。

20年在籍したペイトリオッツから今季移籍した。新天地で実力発揮できるか疑問視する声もあった。見事に18季ぶり4度目となる決勝に導いてみせた。すでに来季も現役続行の意思を示し、意欲が衰えることはない。

決勝はブレイディにとっては14度目となる。対戦するパッカーズのQBロジャースも17年目のベテラン。「彼にも勝ちたい。彼らを倒すことに意義がある」。その先には7度目のスーパーボウル制覇がある。

セインツはパントリターンでの好走から、2FGで先行した。逆転された直後にはスペシャルプレーのTDパスも決めて再逆転した。同点で折り返し後も、RBカマラのランで攻め込み、ブリーズがTDパスを決めて勝ち越した。

次の攻撃でミスが命運を分けた。パントのはずが反則で息を吹き返した。ここでいいパスが決まったが、WRクックがボールをたたかれてファンブル。自陣までリターンされて、再び同点となるTDパスを決められた。リズムの乗りかけたところでのミスで、4季連続でのプレーオフ敗退となった。