元SMAPのメンバーでオートレーサーの森且行(46=川口)が24日に行われた福岡・飯塚オートG1開設64周年記念レース特別選抜戦で落車事故に見舞われ、骨盤骨折の重傷を負っていたことが25日、分かった。全治は未定だが、2月19日からのSG全日本選抜出場は厳しい状況で、2つ目のSG奪取の機会はしばらくお預けとなる。

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さらなる飛躍を期す46歳の森且行が不運に見舞われた。落車事故はスタート直後に起こった。飯塚オートG1開設記念レース最終日の11R特別選抜戦。8車立ての7枠から発走した森は、やや出遅れて8番手から前を目指す態勢に。最初の2コーナーで1車抜いた後、前走者の前輪が前々走者の後輪に触れ、大きく外にはじかれたところに、森が避け切れず接触。一瞬の出来事で予見は難しく、森と前走者は外周の外にあるフェンスまで飛ばされて激突、転倒した。

レース後の森は意識はあったものの、痛みを訴えて担架で運ばれ場内の救護室へ。その後、救急車で福岡県内の病院に緊急搬送された。オートレースを統括するJKAによると、診断の結果は骨盤骨折。現在は精密検査を受けて加療中で、全治は未定となっている。

5日制の今大会は4日目まで2、3、6、3着。初日は「コーナーは暴れて乗りづらいけれど、エンジンに余力があった」と感触は良かった。準決勝戦3着で、2着以内で進める優勝戦には惜しくも届かなかったが、攻めのレースで意地を見せていた。

オートレーサーの骨盤骨折からの復帰は、3カ月から半年以上かかるケースが多く、21年最初のSG全日本選抜(2月19~23日・浜松)をはじめ、あっせんされていた4つのグレードレースへの出場は絶望的とみられる。また、4月に地元の川口で行われるオールスター出場も厳しくなった。

森は昨年11月の日本選手権で、デビュー24年目で悲願のSG初優勝を達成。元SMAPの中居正広、木村拓哉、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が、そろって温かい祝福コメントを寄せ、人望の厚さがうかがい知れた。

これらの活躍が認められ、2020年JKAオート優秀選手賞の初受賞が決定。JKAが協賛する日刊スポーツ新聞社制定オートレース年間三賞でも、97年の特別賞以来23年ぶりとなる技能賞に選ばれた。

※草なぎのなぎは弓ヘンに前の旧字体その下に刀