高木美帆(27=日体大職)が女子500メートルを37秒58、3000メートルを国内最高の3分59秒81で制し、ともに五輪代表権を確実にした。出場すれば初となる五輪の500メートルについて明言を避けたが、もし出場すれば既に代表を決めている1000、1500メートルを含め個人4種目に出る。短距離から長距離までのオールラウンダーとして五輪に出場すれば、日本勢では92年アルベールビル五輪の橋本聖子(橋本は5000メートルにも出場)以来、30年ぶり。代表は全種目の結果が出そろう31日に発表される。
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国内では史上初めて4分台を切ると、3000メートルの長距離を滑り終えた疲れも見せず、高木美はがむしゃらにガッツポーズを見せた。「ここで国内最高を出さなければ、五輪で上位に食い込めないと思っていた」と納得の表情だった。
その約5時間半前には、500メートルを制した。短距離から長距離をそつなくこなすオールラウンダーは、500メートルでの五輪出場について聞かれると「日程との相談。個人的な感覚ではメダル争いには、もう1段階上にいかなきゃいけないと思っている。今話せるのはそれぐらい。できれば発表を待ってもらいたい」と述べるにとどめた。
日本スケート連盟関係者によると本人は前向きだが、31日の代表内定発表までに日本代表コーチ陣や連盟幹部と十分議論した上で、個人的な思いも尊重し、500メートル出場について決定する。北京五輪本番では500メートルの2日後に、連覇が懸かる女子団体追い抜きが控えているため、そこへの影響がカギとなる。
ただ実績は十分だ。18年3月に世界選手権オールラウンド部門(500、3000、1500、5000メートル)で総合優勝。20年3月には世界選手権スプリント部門(500、1000メートルを2本ずつ)も制した。オールラウンドにこだわる理由について「短距離から長距離までやるのは大変だけど、純粋に全部速くなりたいから。多くの種目にトライすることが、スピードスケートが一番速くなる道だと感じている」と語った。
五輪で短、中、長距離にくまなく出場した選手はさかのぼること30年。現東京五輪・パラリンピック組織委会長の橋本聖子氏だ。個人4種目に加え、女子団体追い抜きにも出場すれば日程、体力面でハードだが今、日本でこの挑戦ができるのは高木美しかいない。【三須一紀】
◆北京五輪代表への道 11、12月のW杯前半4大会と12月の代表選考会(長野)の結果で決まる。W杯の成績により各国・地域に出場枠が配分され、日本は女子8、男子7。日本連盟が定めたW杯で平均的に3位以内に入るなどの基準を満たせば、男女各4人までに事実上の内定が与えられる。女子の小平奈緒(相沢病院)、高木美帆(日体大職)、佐藤綾乃(ANA)、男子の新浜立也(高崎健康福祉大職)、森重航(専大)は選考基準を満たし既に代表入りが確定。残りは五輪代表選考会の成績で選び、31日に代表内定者が発表される。


