小林陵侑(25=土屋ホーム)が合計302・0点で逆転優勝し、3季ぶりのジャンプ週間総合優勝へ好スタートを切った。1回目5位から、2回目に最長不倒141メートルをマーク。圧倒的な強さで、今季4勝目、通算23勝目と自身の日本男子最多勝利数も更新した。ジャンプ週間で、2度目の4戦全勝での完全制覇を達成すれば史上初。偉業を成し遂げ、北京五輪金メダルを狙いにいく。
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雨中の夜空に小林陵の叫び声が響いた。逆転を狙った2回目。着地と同時に両手を広げ、天を仰いで「フォー」とほえた。待ち構える兄の潤志郎と抱き合った。「めっちゃ、叫んじゃった。気持ちよかった」と納得のジャンプ。終わってみれば、唯一の合計300点台をマークする圧勝だった。
2人1組の勝者が2回目に勝ち上がるノックアウト方式で争われ、1回目は伊東との日本勢対決だった。踏み切りのタイミングが遅れながらも128・5メートルで退け、5位で迎えた2回目。首位とは8・6点差で飛距離換算で4・7メートルのリードを許した。「結構、厳しいだろうな。優勝とかは考えていなかった」。緊張に縛られなかったことも奏功した。ヒルサイズを4メートルも越える141メートルの大飛躍で逆転優勝した。
平昌五輪後からエースに台頭。今季について「失敗したところがわかる」という。鋭い感覚で次のジャンプではすぐに修正。「土曜日の試合がダメでも日曜日の試合までに修正できる」と結果につながっている。今季はスーツ規定違反による失格、新型コロナウイルス陽性反応による2試合欠場があったが、出場8試合で4勝、2位2回と調子を落とすことはない。
70回目を迎えた伝統のジャンプ週間の開幕戦を制し、通算6勝目。船木和喜の5勝を上回って日本人最多となった。次戦の1月1日(ドイツ)では2連勝に挑む。18-19年には4戦全勝で日本人初、史上3人目の完全制覇を達成した。2度目の4連勝なら史上初の偉業となる。
年内最後の試合を笑顔で終え、いよいよ北京五輪イヤーを迎える。「金メダルを目指して頑張ります」と覚悟を見せる本番へ、日本や世界を驚かせるビッグジャンプを見せ続ける。
ジャンプ週間
◆スタート W杯発足前の1953年に始まり、今季で70回目。五輪や世界選手権と同等かそれ以上とされる伝統の大会。
◆開催 ドイツとオーストリアで4大会8回の飛躍合計得点で総合優勝を決める。ノックアウト方式を採用。次戦は1月1日(ドイツ)、4日、6日(ともにオーストリア)と続く。
◆人気 欧州では年末年始の風物詩として定着しており、予選を含めて10万人超の大観衆が詰めかける。
◆総合優勝 最多は5度のアホネン(フィンランド)。日本人の総合優勝は97-98年の船木と18-19年の小林陵の2人。優勝回数は船木が5勝で小林陵が6勝に。
◆完全制覇 4戦全勝をグランドスラムと呼び、01-02年のハンナバルト(ドイツ)、17-18年のストッフ(ポーランド)、18-19年の小林陵の3人が達成。
◆ジャンプ週間と五輪 前回の18年平昌五輪は全勝で総合優勝したストッフ(ポーランド)が五輪ラージヒルで2大会連続の金メダルを獲得した。98年長野五輪ラージヒル金メダルの船木和喜も同シーズンのジャンプ週間の総合優勝を果たしている。


