女子テニスで、世界ランキング1位のアシュリー・バーティ(25=オーストラリア)が22日(日本時間23日)、突然の引退を表明した。

自身のインスタグラムで「トップに挑戦するために必要な肉体的なパワー、欲求など、すべてものがもうない。限界だと思う」となどと話し、引退の理由を明かした。世界の女王として「自分の力を最大限に発揮するには、どれだけの努力が必要か分かっている」と明かし、「私には、その力がもうない。この美しいテニスというスポーツに、全てをささげた」と、やり尽くしたと感じているという。

実は、バーティは、1度、引退したことがある。14年全米後、世界を転戦することに疲れたと、クリケット選手に転向した。当時、シングルスでは世界200位台。ダブルスでは3度の4大大会準優勝があったが、世界的には無名だった。

しかし、16年5月にテニスに復帰。19年全仏で、自身初の4大大会優勝を飾ると、そのまま初の世界1位の座についた。21年ウィンブルドンを制し、「夢が現実となった」と喜びを爆発させた。

22年1月の全豪で、78年オニール以来44年ぶりの地元女王となった。「全豪への挑戦は、自分のテニス人生が、どれだけ素晴らしかったかを締めくくる完璧な道だった」。そして、「ほかの夢を追いかけたいと思った」。

20年に新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、母国オーストラリアは、鎖国とも言える厳しい入国規制を行った。それは、当初、オーストラリア人にとっても同様で、1度、国外に出ると、帰国するのさえ、大変な苦労を強いられた。その苦労も、引退の引き金になったかもしれない。

テニスに関しては「好きでたまらない」。ただ、「今度は選手としてではなく、1人の人間として、第2の人生を楽しむことが必要なんだと思う」とした。

現役を世界1位のまま退くのは、08年のエナン(ベルギー)に続いて史上2人目。しかし、エナンは2年後に現役に復帰している。