伏見工の流れをくむ京都工学院の部歌が、試合前のグランドに流れた。慣れ親しんだ「赤黒」ジャージーをまとった選手たちが、ゆずの岩沢厚治が作詞・作曲した「紅歌(こうか)」を力いっぱい歌った。チーム全員で気持ちを高め、初戦突破につなげた。

「我ら紅を纏(まと)いて 信は力なり いざゆこう 逞しく 滾(たぎ)る勇気と 共に 何の為だと 誰の為だと 胸に問え 我ら紅を纏いて 信は力なり 我ら紅を纏いて 信は力なり」

主将の石田一休(2年)の独唱から始まる紅歌。初めて聞いたときのことを、石田は「心が『おおおー』となって。気合が入り、自然に涙が流れた」と興奮気味に語った。そして「自分たちの代からそんな貴重な歌を歌えるなんて素晴らしいことです」と胸を張り「自分たちの代で新しい歴史を作りたい」と力を込めた。

制作のきっかけは、大島淳史監督の「工学院で私が監督になって、10年後、20年後、その先にも何か残るものを作りたかった」という思いだ。学生時代から親交のある岩沢さんに依頼すると、快く引き受けてくれた。全国大会の舞台で披露することを目指していたが、なかなか歌う機会がなかった。今年2月の近畿大会で初めて歌った。その効果は抜群で、春の選抜出場を勝ち取った。

大島監督は「(岩沢さんは)ラグビーが大好きなんです。選抜が決まった時にも『おめでとう』というラインをもらいました」。日頃から気に懸けてくれる偉大なアーティストが作った部歌。大勢の前で披露するには有観客となる準々決勝に進むことが必須。8強入りを懸けて、2回戦で流通経大柏(千葉)から金星を狙う。【平山連】