初採用の24年パリ五輪で金メダルを目指す男子のSHIGEKIX(シゲキックス)こと半井(なからい)重幸(20)が3連覇を飾った。決勝でSHADEこと岡田修平(33)を下した。SHIGEKIXはゴールド・ワールドシリーズ北九州大会(24~25日、西日本総合展示場新館)へ出場し、五輪へ最短ルートとなる世界選手権(9月、ベルギー)の選考レースに突入する。
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膝をついたSHIGEKIXが、タオルで顔を覆った。3連覇。
ブレイキン界を背負う男は「今まで涙を見せたことがない。泣いていたかは、ご想像にお任せします」と照れ笑いした。
NHKで生中継の決勝、最後は気持ちだった。2ラウンド目に得意技を用いて勝負をかけ、最終3ラウンド目は力を振り絞った。
体を回転させる「パワームーブ」だけでなく、動きを止める「フリーズ」の質が落ちない。
激戦を勝ち抜いて「本当にうれしい。その言葉しか出てこない」と喜んだ。
準々決勝からの3試合を控えた朝、目覚めて思った。
「自分、人間だな。五輪で金メダルを取るなら、このぐらいのプレッシャーを感じておいた方がいい」
7歳で始めたブレイクダンス。五輪など意識したことがなかった。20年12月にパリ五輪での採用が決まり、注目度が変わった。街を歩けば自身の姿が目に入り、ドキュメンタリーも放送された。
「正直365日、プレッシャーを感じています」
それを乗り越えた。
表現、芸術を採点し、優劣をつける競技化への反対の声も認識する。それでもSNSには「うちの息子が始めました」という見知らぬ親からのメッセージが届き、きっかけになったことを知った。文化の継承と発展の二兎(にと)を追う。
「歴史、カルチャーへの敬意を、うそ偽りなく世の中に伝えたい。そのブレイキンにほれ、始めたのが僕。本来の姿を皆さんに知ってもらう。もう1つは、未来へ可能性を作っていく存在になりたいと思います」
いよいよ本格化する五輪選考レース。確固たる信念を胸に抱き、世界のダンサーと高め合う。【松本航】


