9月開幕のW杯フランス大会で「優勝」を大目標に掲げる日本代表に、課題と収穫が見えた。ニュージーランド代表を目指す選手で構成されたオールブラックスXVに27-41で敗れ“2連敗”を喫した。代表チームに準ずる「JAPAN XV」で臨んだ8日の第1戦に続き、ミスや防御ライン突破を許して6トライを献上。FB松島幸太朗(30=東京SG)が1トライ、WTBセミシ・マシレワ(31=花園)が2トライも及ばなかった。次戦は22日、札幌ドームでW杯1次リーグ同組のサモアとのパシフィックネーションズシリーズ初戦に臨む。【松本航】

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<課題>

興奮冷めやらぬピッチで、日本のジョセフ・ヘッドコーチ(HC)が開口一番に言った。「たくさんミスをしてしまった。ミスするとトライを取られる」。9点を追う前半38分、相手陣の連続攻撃で37歳のフッカー堀江がノックオン。拾った相手が素早く仕掛け、大きく右へ展開された。陣形が整わない間にスペースを突かれ、致命的なトライを献上。22歳の先発SO李は「まずは早いセット。ボールロストした後に(切り替えの動きで)相手が上回っている」と課題を示した。

日本代表始動から約1カ月。個々のタックルを強化してきた一方で、連係は発展途上といえる。主導権を争う開始2分にも敵陣でのモールで攻め込みながら、SH斎藤のノックオンで攻撃権を渡した。相手SHウェバーの即座のキックにより約45メートル後退。ジョセフHCは「誰もノックオンをしたいわけではないが、重要な場面で集中することが大事」と改善点を口にした。

来月15日のW杯メンバー発表まで、残り3試合。プロップ稲垣は「いい方向には向かっている。上がり幅を伸ばさないといけない」と前を向く。結果に響いたのは勝負どころでの差。故障から復帰過程のWTBフィフィタ、ロックのディアンズら主力も融合し、短時間での熟成が求められる。

 

<収穫>

一息ついた記者会見では、ジョセフHCの笑顔があった。「(後半は)いいインパクトだった!」。最大28点差を追う後半11分、SH流やフッカー坂手らを投入。地元の荒尾高(現岱志)で3年間過ごした流は「あれだけ点差があった。攻めるしかなかった」とペナルティーから速攻を選び、初披露の新ジャージーを身に着けた仲間が続いた。

19分にはフランカーのリーチも入り、経験豊富な実力者が背中と言葉でけん引。14、19分の連続トライで押せ押せムードをつくり、腕で蛇の形を作るスネークポーズで盛り上げたWTBマシレワは「期待され、トライを取ってもらいたいと思われていることは分かっているよ」とほほえんだ。

19年W杯は過去最高8強。さらに前進するには強豪をなぎ倒す力が必要になる。ジョセフHCはかねて「50点差で勝てるようなチームではない。(後半)残り20分が大事」と言い、あえてリーダーを1人にしていない。この日は先発NO8姫野、控えフッカー坂手を主将に指名。前戦は先発のリーチ、控えの流だった。

2試合で4人が主将を経験。フル出場の姫野は他の3人の名を挙げ「いいリーダーがいっぱいいる。常に自分の仕事をする」と誓った。苦しい時間に選手たちで入れたスイッチ。後半のスピード豊かなラグビーが、日本の可能性を示した。