パリ五輪を目指す各競技の北海道関連選手を紹介する企画7回目は、重量挙げ女子71キロ級の瀬川瑠奈(東京国際大2年-士別翔雲高)。

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昨年9月にサウジアラビアで開催された世界選手権で、瀬川は女子71キロ級の日本記録保持者となった。スナッチ98キロ、ジャーク129キロで、トータル227キロ。それまでの同級日本記録保持者だった石井未来(みく、25=いちご)の目の前で、石井の記録より1キロ重いバーベルを持ち上げた

瀬川 高校までは日本全体で3、4番手でしたし、オリンピックを意識することはあまりありませんでした。大学1年の4月にあった全日本選手権でジャークの2本目と3本目を落としてしまって。どちらか取っていれば、当時の4年生の先輩に勝って『自分が世界選手権に出られたんだ』『あっもう世界選手権に出られないんだ』と思ったらちょっと悔しくて、そこからは明確に目標(五輪出場)を持つようにしました。

当時は強靱(きょうじん)な下半身に対し、上半身の筋力がやや不足気味。「少し苦手だった」という筋力トレーニングに力を入れると、中学や高校時代のように再び記録が出始めた。高3の全日本選手権で挙げたトータル209キロ(日本高校記録)から、約2年で18キロも記録を伸ばし、五輪出場の可能性が、少しずつ現実味を帯びてきた。今後はランキング対象大会のアジア選手権(2月、ウズベキスタン)、W杯(3月、タイ)で五輪出場目安の240キロ超えを実現し、各階級10人までの世界ランキングによる出場権獲得を目指す。

瀬川 あと2回の大会(アジア選手権、W杯)で最低240キロは挙げないと、(五輪出場圏の)ランキングに入ってきません。(トータル)240キロを出すために、今日はどのぐらいを挙げないといけないか、というのは、常に意識して練習しています。

64年東京五輪と68年メキシコシティー五輪で金メダルを獲得した三宅義信監督(84)や、元日本女子代表監督の三宅敏博コーチ(48)から指導を受ける。コンディションや競技特性にマッチした栄養価の高い料理を毎日、学内で食べて寮に帰る。オフの日曜日は、最寄りの川越駅付近のショッピングで息抜きをし、次の週の英気を養う。

瀬川 バーベルを上げる時に、自分の体の重心が1センチずれると分かりますし、3センチずれたら落としてしまう可能性が高くなります。高校までは、重心や体のバランスだけで、ある程度挙げてこれましたが、ここまで(挙げる重量が)重くなってくると、バランスのずれをカバーする筋力をつけなきゃです。海外旅行よりも日本旅行が好きなタイプではありますが、パリはなんか街並みとかおしゃれですし、『見てみたいな』と思ったりはします。パリにもこだわりますし、(28年の)ロサンゼルスでも現役のトップでいたいですね。

◆瀬川瑠奈(せがわ・るな)2003年(平15)11月17日、北海道名寄市生まれ。2歳からチアリーディングを始め、重量挙げは名寄風連中1年から始めた。全国中学は2、3年で優勝。63、69キロ級のほか当時新設の64、71キロ級の全国中学記録を保持。士別翔雲高では全日本ジュニア、全国高校選抜、高校総体の3冠達成。自己ベストはスナッチ98キロ、ジャーク129キロ、合計227キロで女子71キロ級の日本記録。168センチ、70キロ。家族は両親と姉。

 

◆パリ五輪への道 男女5階級とも、22年8月1日~24年4月28日の予選期間の世界ランキング上位10人と開催国(フランス)、ユニバーサリティー枠の計12人が出場。各国は各階級に1人のみで、エントリーできる階級は男女とも最大3階級のため、上位に同一国の選手が複数人いる場合などは、11位以下の他国の選手が繰り上がる。女子71キロ級の瀬川は現在24位だが、上位に中国や北朝鮮勢が複数いるため、実質では18~20位。アジア選手権かW杯でトータル240キロ前後を挙げ、ランキングが10位前後まで上がると、パリ五輪出場の可能性がある。