日本競輪選手養成所(静岡)の第127回選手候補生入所試験の合格者が18日、発表された。昨夏の全国高校総体自転車男子スプリントで優勝した杉浦颯太(千歳高3年)が合格。現役A級選手で、通算453勝の父康一(58)を超えるG1優勝を目標に、プロへの一歩を踏み出す。女子では、元バドミントン選手で函館出身の吉田恵利(20=訓練生)が合格した。

  ◇  ◇  ◇

日本競輪選手養成所の合格者一覧に、杉浦の名前があった。昨夏の総体で世代NO・1に立った競輪選手候補生は「G1で優勝できるような選手になりたい」と、引き締まった顔で野望を口にした。

58歳の今もA級で活躍を続ける父の背中を追い、高校入学と同時に、本格的に競技を始めた。高1では全国出場すらかなわず、高2の総体1キロタイムトライアルは22位。昨秋の国体からスプリント種目に転向し、一気に成績を伸ばした。5月の全日本ジュニア、8月の総体で優勝。「勉強して大学に行った方がいい」と諭していた父を、競走成績で味方につけた。「養成学校を受験したころから、少しアドバイスをもらえるようになった」と笑う。

約400人が参加した北九州の小倉競輪場で行われた1次試験の実技では、助走をつけた200メートルと1キロのタイムトライアルを無事にクリア。約90人まで減った2次試験は、面接と適性検査を乗り切った。「1次は走り終わった後に『大丈夫だろうな』と感じましたが、2次は何を見られるのか分からず、少し不安でした」と振り返る。

昨年9月、父は落車事故で肋骨(ろっこつ)を亀裂骨折し、約1カ月レースを休んだ。休養期間中も痛みに耐えてトレーニングを続ける姿から、プロの厳しさを学んだ。昨秋の国体以降は、加速力のあるカーボンフレームの自転車から、足を回転させないと前に進まない鉄フレームの競輪用に変更し、大会や練習で使用してきた。「デビューから18連勝すれば、最速でS級に到達します。早く強い選手になって、賞金で父や母に恩返ししたい」。約10カ月の養成所生活を経て、来年7月にデビューを迎える。【中島洋尚】

 

◆杉浦颯太(すぎうら・はやた)2005年(平17)5月19日、千歳市生まれ。千歳勇舞中2年の時にバドミントン男子ダブルスで千歳市内優勝。千歳高1年で本格的に自転車競技に転向。高2の国体少年男子スプリント3位、選抜大会同2位。高3の全日本選手権男子ジュニアスプリント1位。昨春から日本自転車競技連盟の強化指定選手。家族は両親と弟。170センチ、68キロ。

 

◆競輪のG1競走 読売新聞社杯全日本選抜競輪、日本選手権競輪、高松宮記念杯競輪、寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント、オールスター競輪、朝日新聞社杯競輪祭の6競走。いずれもS級上位選手が出場し、G1の優勝者は年末のKEIRINグランプリに出場できる。