ラグビー「リーグワン」1部の埼玉パナソニックワイルドナイツSH内田啓介(32)が、2季ぶりの王座奪還で花道を飾る。

29日、埼玉・熊谷市内で5月4日に控える最終節の横浜キヤノンイーグルス戦(レゾナックドーム大分)へ調整。27日に本拠最終戦を終えたが、数百人規模のファンの声援を受けた。

今季限りでの現役引退を決めており、残りはプレーオフを含めた3試合。夕刻の練習場で「まずは絶対に優勝したい。一瞬一瞬まで後悔したくない」と腹をくくった。

第2の人生は決めている。現役引退後に教員採用試験を受け、保健体育教師として歩み出す。目標は母校の京都工学院高(旧伏見工)の指導。昨季は決勝で東京ベイに敗れ、2連覇を逃した。その場で今季を最後の1年と定めて「楽しまないともったいない。今日の1日も最後。もう2度と時間は戻ってこない」と全15試合出場につなげてきた。

教師を志したのは20年前だった。平尾誠二さんらが巣立った京都・陶化中(現凌風小中)に入学。恩師の稲田雅己氏がラグビーを通して、やんちゃな先輩を導く姿に「こんなに人生を変えられるんだ」と憧れた。伏見工3年時に高校日本代表に選出されても、教師にこだわって筑波大へ進学。在学中も卒業後に教育の道へ進む意向だったが、伏見工時代の監督だった高崎利明氏、U20(20歳以下)日本代表ヘッドコーチだった元木由記雄氏らに「チャンスがある。ラグビーを続けてから先生になればいい」と助言された。そこから埼玉で4度のリーグ優勝を経験。日本代表22キャップ、世界最高峰スーパーラグビーのサンウルブズなど、国際舞台でも力を発揮した。

勝負の世界で知った信念がある。

「信号無視をする人が、グラウンドでルールは守れない。日常生活とラグビーは必ずつながります」

5月26日、国立の決勝で笑うために、後悔のない準備を続ける。【松本航】

◆内田啓介(うちだ・けいすけ)1992年(平4)2月22日、滋賀・大津市生まれ。小学2年生でラグビーを始める。伏見工を経て、筑波大では主将。大学3年で日本代表初キャップ。15年W杯はバックアップメンバー。高い身体能力でWTBもこなし、サンウルブズ、タスマン(ニュージーランド)でもプレー。大学では代表活動などで教育実習に行けず、コロナ禍に通信制の大学で不足分の単位取得。群馬県内の高校で教育実習に臨んだ。愛称うっちー。179センチ、86キロ。