フィギュアスケート女子で4大陸選手権と全日本選手権で優勝2度を誇る紀平梨花(23=トヨタ自動車)が29日、アイスダンス挑戦を表明した。アイスダンサーとして国際大会出場経験を持つ西山真瑚(しんご、23=オリエンタルバイオ)と、カナダ・モントリオールを拠点に“りかしん”を結成。フランス・アルプス地域で行われる30年五輪を軸に、26年ミラノ・コルティナ大会も諦めない姿勢を見せた。近年は右足故障に悩まされた元全日本女王が、新たな種目で夢を追う。

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先達の存在も、紀平のアイスダンス挑戦を後押しした。10年バンクーバー五輪銅メダルで元世界王者の高橋大輔は、20年から転向。村元哉中との“かなだい”結成2季目での北京五輪出場こそ逃したが、23年世界選手権で日本勢最高タイの11位と躍進した。今季は22年全日本選手権2位の島田高志郎(木下グループ)が、アイスダンス転向で続いた。紀平も「いろいろな方々が挑戦していく姿を見て、勇気につながった。多少なり刺激はあったと思います」と笑顔でうなずいた。

男女1組で行うアイスダンスにはジャンプがなく、ステップなどの細かいルールに順応しながら、作品としての芸術性を高めていくことが求められる。日本はミラノ・コルティナ五輪の個人戦出場枠を逃したが、前回銀メダルの団体戦での奮闘が期待される。3月の世界選手権には愛称“うたまさ”の吉田唄菜、森田真沙也組(木下アカデミー)が初出場して22位。新たなカップル誕生は競技力向上にも好影響が予想される。

◆西山真瑚(にしやま・しんご)2002年(平14)1月24日、東京都生まれ。6歳で競技を始める。中3だった16年にカナダ・クリケットクラブへ拠点を移す。目黒日大高在学中は右足首負傷や腰の疲労骨折に苦しみ、リハビリ中にアイスダンスの魅力を知ったことで転向を決断。英ロイヤル・バレエ団に所属するプリンシパル(トップ階級)のバレリーナ高田茜は母方の親戚。173センチ。

◆紀平梨花(きひら・りか)2002年(平14)7月21日、兵庫・西宮市生まれ。4歳で競技を始める。ジュニアだった16年に女子世界7人目のトリプルアクセル成功。17年全日本ジュニア選手権、18年GPファイナルも制覇。4大陸選手権、全日本選手権はともに19、20年と2連覇。N高-早大人間科学部(通信教育課程)。155センチ。