一般財団法人日本モーターボート競走会では、7月1日からボートレーサー142期(27年4月入所)の募集を開始した。
今回から視力の要件が緩和され、両眼とも「矯正視力で0・5以上」となった。昨年5月にデビューした鐘ケ江真司(24=福岡)は、ボートレースに魅せられ、駅員からの転身で養成所トップ成績を残した。真剣なまなざしで夢を追いかける若者を待っている。
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136期で在所成績NO・1の鐘ケ江真司は、業界でも珍しい転職組だ。かつては野球に打ち込み、広島の強豪・広島新庄高で内野手として甲子園を目指した。だが、ベスト8で夢が絶たれた。「甲子園だけを目指していたので、大学で4年はできないなって。野球はもうやり切ったという気持ちでした」。
そこで就職したのが、JR西日本。駅員として、広島駅の新幹線ホームに立った。レーサーは全国各地を転戦する仕事。「時刻表を見るのは早いですよ。先輩に調べてくれってよく言われます(笑い)」と、思わぬ特技も身に付けた。
だが、どこか心のモヤモヤが晴れない日々が続く。そんなとき、友人に誘われて見たのがボートレース。挑戦したい夢が、新たに見つかった。「かっけえなって。調べたら体が小さくてもプロになれるんだって。働いていた時は代わり映えしない日々で、やりがいを見つけるのが難しかった。ボートレーサーは毎日結果が出る仕事。やりがいがあるなと」。
受験を決意すると、1年3カ月働いた会社を退職。「仕事を辞めれば、退路を断てば必ず受かる、とは思わないです。でも、自分は仕事をしながらでは難しいと思った」。ジムに通い、しばらく動かしていなかった体をたたき起こした。すぐさま合格とはいかなかったが「ちょうど、大学に行った友達が卒業するタイミング」という3度目の挑戦で夢への第1歩をつかんだ。
養成所では、中学を卒業したばかりの人など年齢はさまざまだが、条件は一緒。その中で在所成績トップの成績を残した。「ボートに乗るのが好きだったし、高校で寮生活に慣れていたのもあるかな。自分でうまいと思ったことがなくて、うまいなと思う同期はたくさんいました」。デビューから2カ月、44走目で初勝利=水神祭。新人としては早い部類で、前評判通りの走りを見せた。
ボートレーサーを目指すために必要なものは何か。「覚悟ですかね。1000人くらい受験して、本気でなりたいと思っている人はそう多くないと思います。『なれたら、なりたい』じゃなく『なる!』という強い覚悟、信念ですかね」。さあ、あなたもチャレンジしてみませんか。
◆鐘ケ江真司(かねがえ・しんじ) 2002年(平14)1月9日生まれ。福岡県出身。広島新庄高卒。25年5月福岡でデビュー。7月鳴門で初勝利。師匠は仲谷颯仁。西山貴浩には「今期はA1級にならんといけんやろ」とハッパをかけられている。164センチ、55キロ。血液型O。
◆ボートレーサー142期・選手募集概要
募集人員は50人程度。
27年4月1日に、ボートレーサー養成所(福岡県柳川市)へ入所。
養成期間は1年間。
養成所の費用は無償
受験手数料
★1次試験 3000円
★2次試験 6000円
★3次試験 3000円
応募はWEBエントリー制(※QRコードから。6カ月以内に撮影した正面上半身、脱帽の写真をアップロードする)
●一般試験
★応募期間 7月1日~9月11日まで。
★主な応募資格
<1>年齢:15歳以上、30歳未満(97年4月2日~12年4月1日生まれ)。
<2>学歴 入所日時点で中学を卒業。
<3>身長 男女とも175センチ以下。
<4>体重 男子は49キロ以上、57キロ以下。女子は44キロ以上、52キロ以下。
<5>視力 両眼とも裸眼、矯正視力0・5以上(ただし、矯正器具はソフトコンタクトレンズに限る)。
★試験内容
1次試験 国語、数学、理科、社会(高校入試レベル)の学科試験および、柔軟性、筋力、瞬発力を測定する体力試験。
2次試験 操作適性、反応力などの適性試験と、持久力、敏しょう性などの体力試験。
3次試験 面接、身体検査、適性検査。
一般試験志願者のうち、中・高・大学などでのスポーツ(競技不問)の成績による「スポーツ推薦試験制度」や、日本代表など、国内外トップクラスのアスリート経験者への「特別試験」もある。
◆ボートレーサー養成所とは 01年、福岡・柳川市大和町に「やまと学校」として開所、17年から現名称。東京ドーム7個分の広大な敷地に、実際のレース場と同等以上の設備を持つ練習水面を2面持つ。
ボートレーサー、審判員、検査員を養成する日本唯一の養成所。選手養成員は全寮制で1年間、厳しい訓練を受ける。乗艇、旋回、エンジンの装着や分解、組み立ての基礎から、性能向上、プロペラ修正などの応用課程を経て、模擬レースなどの実戦訓練へ。最後に修了記念レースを行い、プロデビューとなる。
◆ボートレーサーとは ほぼ全員が未経験からのスタート。現役最年少は16歳、現役最高齢は77歳。性別や年齢問わず、同じレースで1着を争うのも特徴だ。26年7月1日時点で、現役は1638人(うち女子は287人)。A1級を頂点に、A2級、B1級、B2級の4つにランク分けされる。優勝賞金の最高額はSGボートレースグランプリの1億1000万円(25年)。昨年賞金王の桐生順平は約2億3000万円を獲得、12人が年間1億円を突破した。平均年収は約2000万円。


