ド派手な「日本勢金メダル第1号」で幕開けだ。競技が本格的に始まり、トライアスロン男子で北條巧(30=NTT東日本/NTT西日本)が、52分56秒で優勝した。今大会の全競技を通じて第1号となった。32年ぶりの自国開催は「人生一番の勝負」と腹をくくって頂点に立った。北條の優勝で、日本は28年ロサンゼルス五輪の出場枠獲得に大きく前進した。女子は林愛望(21)が銅メダルを獲得した。
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真っ赤な髪の北條が、最後の直線を走ってくる。後ろを振り返った後、勝利を確信。ゴールテープを両手でつかんで高く掲げ、雄たけびを上げた。2種目目の20キロバイクで5番手も「自分が一番強い」という最後の5キロラン。ロングスパートで4人抜いて逆転した。
「金メダルが一番最初に決まると知った段階からここがチャンスだと思った。国内開催で気合を入れて、髪の毛も仕上げてきた。勝ち切れて本当に幸せ」
これまで髪は青色だったが、24年パリ五輪を逃した後に大胆にイメチェン。派手な赤を選んだ理由は「ロックが好きだから」。国民的バンド「X JAPAN」の大ファンとも言い、「スポーツを通して自由を表現したい。選手だから黒髪とかじゃなくて、どんな人でも自由に表現したいことをできれば」と口にした。 パリを逃した2年前の失意。髪色だけでなく、これまで「セルフコーチング」だった練習方法も変えた。海外出身のコーチに指導を仰ぎ、日々の心拍数や睡眠などのデータも収集。体調面にも気を配り、大会直前には妻と子ども2人を残して自宅近くのホテルで隔離生活もした。「父親の人生を削ってきた」。ゴール後、家族から祝福を受けると目には涙を浮かべていた。
北條の優勝で、日本はロス五輪出場枠獲得に大きく前進した。「ロスで成功できるイメージが持てた。メダルを取れる実力をつけて勝負したい」。名古屋で、いの一番に輝いた30歳は、ロスに向けて大きな一歩目を踏み出した。【泉光太郎】
◆北條巧(ほうじょう・たくみ)1996年(平8)4月7日、埼玉・北本市生まれ。熊谷高まで競泳歴14年。日体大入学と同時にトライアスロンに転向。本格的に取り組んで18年日本選手権で初優勝。昨年はアジア選手権優勝。家族は妻と子供2人。173センチ。


