「ゴールデンエージ」が史上初の8強に導く。20日にロシアとのW杯開幕戦を控えるラグビー日本代表は14日、都内でフィットネスを中心としたメニューで調整した。

31人の代表選手のうち、26~27歳となる92年度生まれの選手は、最多の5人。タレントがそろい、将来を期待されてきた黄金世代が、自国開催のW杯に臨むチームをけん引する。

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報道陣に公開された15分間の練習中、日本代表の選手はリラックスした表情でメニューを消化した。開幕が刻一刻と迫るが、過度の緊張はない。この日27歳の誕生日を迎えたフッカー北出卓也は「これまでは誕生日の選手にはケーキがあったが、今日はなかった。忘れられているのかな…」と苦笑。それでも、W杯開幕6日前のタイミングに「特別で、印象に残る誕生日になったと思う」とうなずいた。

北出が生まれたのは92年。W杯日本開催が決まった09年を高2で迎えたその世代には、ラグビー界の未来を担う豊かな才能が集結した。3年時の全国高校大会には、WTB松島幸太朗、フランカー徳永祥尭、SH流大、WTB福岡堅樹、北出と今回のW杯戦士5人が出場。直前に代表落ちしたフランカー布巻峻介らを含め、大学、社会人と進む中でも、互いを意識しながら成長を続けてきた。

今月6日の南アフリカ戦で初キャップをつかんだ北出は「高校時代から『ゴールデンエージ』と言われてきた。すごい同期で、活躍している選手を見てきたので、そこに入れて良かった」と思いを語った。流は代表が発表されたミーティング後、布巻から「とにかく頑張って欲しい。ケガなくやって欲しい」とメッセージを受け取り、「峻(布巻)の分も自分がやる」と思いをあらたにした。

ロシア戦まで残り5日。「プレッシャーから逃げるのではなく、受け入れて、打ち勝っていきたい」と北出。リーチ、田中、堀江らの背中を見てきた黄金世代が、桜のジャージーの誇りを体現する。【奥山将志】

◆他競技の世代メモ 野球界では「松坂世代」が有名。80年度生まれの松坂大輔(中日)を筆頭に和田毅、藤川球児、村田修一、杉内俊哉らが名を連ねる。サッカー界では79年度生まれの元日本代表小野伸二(琉球)を筆頭に、稲本潤一、遠藤保仁、小笠原満男、中田浩二、高原直泰らが「黄金世代」と呼ばれる。女子ゴルフ界では98年度生まれの渋野、畑岡らが「黄金世代」と呼ばれる。