フランスでも“しあわせのとんぼ”が飛んでいる。
ラグビーW杯フランス大会に臨んでいる日本代表(世界ランク14位)は日本時間18日午前4時、南東部のニースで過去10戦全敗のイングランド(同6位)に挑む。
1次リーグ初戦のチリ戦に臨んだ10日。トゥールーズのスタジアムで、親しみのある日本語のメロディーが流れた。
試合前は長渕剛の名曲「とんぼ」。イングランド戦に先発する最年長37歳のフッカー堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)は「めちゃくちゃ緊張している時に、いい感じに力が抜けた」と、体を温めながら歌詞を口ずさんだ。
42-12で快勝した試合後、今度は長渕の「乾杯」が流れ、選手たちの疲弊した体をいたわってくれた。2戦連続で先発するWTB松島幸太朗(30=東京サントリーサンゴリアス)は「あまり自分で聞く機会が少なかったので、新鮮な気持ちで聞きました」と笑った。
初戦のチリ戦前。W杯を主催するワールドラグビー(WR)から、リクエストの有無を聞かれたという。
日本代表が食事をしている際、2大会連続出場のCTB中村亮土(32=東京サントリーサンゴリアス)が長渕の楽曲をひらめいた。
同じテーブルのメンバーに提案すると「いいじゃん」と後押しされた。チリ戦で2トライを挙げたトンガ出身のロック、アマト・ファカタバ(28=リコーブラックラムズ東京)らもウエートトレーニングで流すなど長渕の名曲を好む。中村は「それで雰囲気に合いそうな『とんぼ』『乾杯』になりました」と明かした。
4年前、過去最高8強入りを飾った日本大会。同じ年のTBS系ドラマ「ノーサイド・ゲーム」の主題歌に用いられた米津元師の「馬と鹿」などが会場で流された。場内のファンが大合唱で雰囲気を作り、大会のハイライトの1つになった。
あれから4年。
コロナ禍を乗り越え、選手と観客が一体となり、心を震わせるW杯が戻ってきた。
日本から約1万キロ離れたフランスの地。長渕の名曲も、日本代表の背中を押している。【松本航】




