イノキボンバイエ2003 〜 馬鹿になれ 夢を持て 〜
◇兵庫・神戸ウイングスタジアム◇2003年12月31日(水)◇17:00 ◇観衆 4万3111人

藤田快勝! 永田はヒョードルに完敗

 藤田和之(33=猪木事務所)がプロレスラーに厳しいルールの中、プロボクサー元IBFクルーザー級王者イマム・メイフィールド(31=米国)を肩固めで下した。エメリヤーエンコ・ヒョードル(27=ロシア)と対戦した永田裕志(35=新日本)はPRIDEヘビー級王者のパンチに沈んだ。試合前にはミルコ戦が中止となった高山善広(38=フリー)がリングに上がり「対戦相手に振られてしまいました」と挨拶。また、アントニオ猪木(60)との対戦を訴えていた大仁田厚(46)も来場。リング下で猪木の闘魂ビンタを浴びると抱擁した。直前まで対戦カードが決まらないドタバタだった猪木祭だったが4万人を超える観衆を集め成功に終わった。

 午後11時過ぎからは恒例の108発ビンタが行われた。しかし、猪木の「上がってこい」の言葉にファンが一気にリング上に上がってしまい大混乱。スタッフ以外に警備員がリングに上がる異常事態に陥った。藤田やバーネットも人員整理を行い、猪木がリング上からファンを指名する形で再開された。

写真=藤田(左)は肩固めでメイフィールドをKO(撮影・和賀正仁)

◆藤波が猪木と「引退試合」

 第4試合後には大勢のダンサーがサンバを踊る中、神輿に乗って猪木が入場。さらに藤波のテーマ曲が流れ、藤波辰爾(50=新日本)が入場した。引退セレモニーを行なわれるはずだったが、藤波の「リングシューズを履いて来ていません」という言葉に猪木が「話が違うじゃねぇか。オレをなめんな」と藤波に襲いかかってしまい急きょ試合が始まった。張り手からローキック3発で藤波をダウンさせるとヘッドシザース、腕ひしぎ逆十字固めなどグラウンドの攻防、首投げ、アームホイップで投げ技も見せた。最後は藤波がスリーパーを決めると猪木が「失神」。タンカで運ばれそうになった猪木は蘇生し藤波と抱擁。猪木が恒例の「道」を藤波に送ると藤波は「この続きは1・4東京ドームでお願いします」と再戦を要求した。

写真=藤波に絞め落とされた猪木
03−04 5大バトル特集

▽第11試合 SGS公式ルール(5分3回)
○辻 結花
(日本/総合格闘技闇愚羅)
判定3−0カリオピ・ケイツィドウ×
(ギリシャ/スポーツクラブ・バグラティオ)
 スマックガールのエース辻結花が女子キックボクシング界最強と言われるWKA世界女子バンタム級王者カリオピ・ゲイツイドウを判定で下した。動き回りながらパンチを狙うケイツィドウに対し、ジリジリと距離を詰める辻。辻はパンチを浴びながらもタックルを決めグラウンドに持ち込むが、寝技における攻防は顔面への打撃を禁止、30秒の時間制限というスマックガールルールのため、腕ひしぎ逆十字固めを決めてもアキレス腱固めを決めても時間が足りずタップが奪えない。その後も辻が何度もタックルを決めサブミッションを狙うが30秒ルールのため仕切り直しの連続。終始、優勢に試合を進めた辻の判定勝ちとなった。
▽第10試合 公式総合ルール(5分3回)
×橋本友彦
(日本/DDT)
1回36秒 
TKO
アリスター・オーフレイム○
(オランダ/ゴールデン・グローリー)
 PRIDEミドル級トーナメント1回戦で敗退したオーフレイムが復活勝利を収めた。総合初勝利を目指す橋本のセコンドには木村浩一郎、佐々木貴、タノムサク鳥羽の他に大阪プロレスのえべっさんがついた。橋本はオーフレイムの打撃をかいくぐり、得意の柔道にこだわったがオーフレイムはそれを許さずパンチ、キックを浴びせていく。それでも打撃に耐えて投げにこだわった橋本はオーフレイムのヒザ蹴りを顔面に浴びダウン。さらに上からパンチ、キックを食らったところでレフェリーが試合を止めた。
▽第9試合 公式総合ルール(5分3回)
×ディン・トーマス
(米国/アメリカン・トップチーム)
1回4分23秒 
TKO
アマール・スロエフ○
(アルメニア/レッド・デビル)
 UFCライト級のトーマスが軽い足取りでスロエフの周りを動き回る。トーマスがタックルで片足をつかんで来たところをスロエフが上からパンチで振り払い、トーマスの頭をサッカーボールのように蹴り上げたところでスロエフの勝利となった。
▽第8試合 特別ルール(3分5回)
○藤田和之
(日本/猪木事務所)
2回2分15秒 
肩固め
イマム・メイフィールド×
(米国)
 藤田が師匠猪木のアリ戦を再現して勝利した。パンチをかいくぐってタックルを決める藤田だが、グラウンドでの攻防は20秒と制限されているためサブミッションを決めることができない。2度目のタックルでは肩固めを決めたが、やはり20秒ルールで逃げられてしまった。2回に入るとタックルではなくアリキックを狙う藤田。さらにタックルから相手をコーナーに詰めると、スタンディングで肩固めを決めた。メイフィールドに攻撃を許さず、20秒ルールの盲点をついた作戦で藤田が快勝した。
▽第7試合 公式総合ルール(5分3回)
×永田裕志
(日本/新日本プロレス)
1回1分2秒 
TKO
エメリヤーエンコ・ヒョードル○
(ロシア/レッド・デビル)
 永田が2年前のミルコ・クロコップ戦に続き、またしても秒殺されてしまった。組みたい永田だったがヒョードルのパンチが飛んでくるため組み合えない。やむなく打撃で応戦するがヒョードルのパンチは永田の顔面を捕らえ、永田は防戦一方。コーナーに詰められ、ミドルキックで倒されるとパンチの嵐。レフェリーが試合を止めた。
▽第6試合 公式立ち技ルール(3分3回)
×村上和成
(日本/新日本プロレス)
1回1分8秒 
KO
ステファン"ブリッツ"レコ○
(クロアチア/ゴールデン・グローリー)
 プロレスのリングと同じように目をぎらつかせて入場した村上は、激励の花束を渡す武蔵に対し、その花束で殴りつけた。試合前から額をくっつけて睨む村上に対し、レコは余裕の笑顔。いつも通り挑発しながらレコにパンチ、キックを放つ村上だったが全てガードされてしまう。レコが右ハイキックを放つと村上はガード。しかし、レコのハイキックはガードよりも高く、左側頭部にクリーンヒット。村上は立ち上がれず秒殺されてしまった。
▽第5試合 公式立ち技ルール(3分3回)
×天田ヒロミ
(日本/TENKA510)
2回46秒 
KO
マイケル・マクドナルド○
(カナダ)
 猪木に直訴して参戦した天田だったがマクドナルドに完敗した。天田は飛びヒザ蹴りやハイキックなどいつもと違った動きを見せた。マクドナルドは1Rは様子をみる展開。2Rに入るとマクドナルドは一気にスパート。ハイキックを天田のアゴに決めるとパンチの連打でダウンを奪う。再開するとダメージの残る天田が回復する前にパンチ、ハイキックを連発して再びダウンを奪い勝利を決めた。
▽第4試合 キング・オブ・パンクラス無差別級選手権・パンクラス公式ルール(5分3回)
○ジョシュ・バーネット
(王者=米国/新日本プロレス)
3回4分48秒 
腕ひしぎ逆十字固め
セーム・シュルト×
(挑戦者=オランダ/ゴールデン・グローリー)
 バーネットが前王者を下し2度目の防衛に成功した。ゴング直後に密着し211cmの巨人を倒したバーネットはハーフポジションでギロチンチョークなどでシュルトを追いつめていく。スタンディングの攻防になるとパンチを浴びせられたが、バーネットは防御せずに体を密着させる。立ったままフロントネックロックで絞められたがそのままテークダウン。1R終了間際にアキレス腱を取ったが時間が足らず。2Rに入ってもバーネットの狙いはグラウンド。下からのパンチを浴びて目尻を切り出血、シュルトに体勢を入れ替えられてしまう。強烈なパンチが上から降ってきたが、バーネットは下から三角絞めを狙い逆襲する。3Rでマウントポジションを奪ったバーネットはパンチを振り下ろしたが、リーチの長いシュルトのパンチも浴びてしまう。しかし強引に立ち上がってきたシュルトの腕を取り、腕ひしぎ逆十字固めでタップを奪った。

 ◆バーネットのコメント「(日本語で)絶好調ですかー! オレはキング・オブ・パンクラス。PRIDE選手、K−1選手、全部かかって来い。オレが新日本、オレがプロレスだ」
▽第3試合 公式総合ルール(5分3回)
×アンジェロ・アロウージョ
(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
2回4分28秒 
TKO
エメリヤーエンコ・アレキサンダー○
(ロシア/レッド・デビル)
 ヒョードルの弟アレキサンダーとブラジリアン・トップチームのアロウージョ、ヒョードルvsノゲイラの代理戦争はアレキサンダーが制した。アレキサンダーがバックドロップのようにアロウージョを投げ捨てると、グラウンドへ。体の大きなアレキサンダーが上からアロウージョにプレッシャーをかけて、相手のスタミナを奪っていく。2Rに入っても同じ展開が続いた。アレキサンダーが125キロの体重を乗せたままパンチを放つとアロウージョの額が切れて激しい流血。あまりに激しい流血のため試合は止められた。アレキサンダーは兄ヒョードル同様パンチの強さを証明した。
▽第2試合 公式総合ルール(5分3回)
○LYOTO
(ブラジル/猪木事務所)
2回1分
TKO
リッチ・フランクリン×
(米国/チーム・エクストリーム)
 猪木の秘蔵っ子が3勝目を挙げた。1Rはスタンディングでの打撃を中心とした攻防。LYOTOがガードポジションを奪う場面もあったが、上から数発パンチを放つだけで決定打はなし。2Rに入ってもスタンディングの攻防は続く。LYOTOは後ろ回し蹴りで奇襲を狙ったが不発。しかし両者がパンチを仕掛けたときにLYOTOの左ストレートがフランクリンの顔面を捕らえる。ぐらついたフランクリンへ右ミドルキック、左パンチをたたき込み、勝負を決めた。
▽第1試合 公式総合ルール(5分3回)
×安田忠夫
(日本/新日本プロレス)
1回52秒 
TKO
レネ・ローゼ○
(オランダ/チーム・ビーター)
 安田が秒殺された。01年8月のK−1埼玉大会でローゼのハイキック沈んだ安田は魔界倶楽部の星野総裁、柳沢龍志、魔界4号をセコンドに付けてリベンジ戦に挑んだ。ゴングと同時に突進した安田はカウンターで右フックを浴びてしまう。その後、パンチ、キックを浴びながらも相手に密着し打撃を封じたが、倒れた直後にマウントの体勢を奪われた。上からパンチを振り下ろされ、何もできないまま試合終了のゴングを聞いた。ダメージの大きい安田は立ち上がれずタンカで退場した。


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