ＴＢＳ「ホームドラマ！」に主演したＫｉｎｋｉ　Ｋｉｄｓの堂本剛（２５）が主演男優賞を獲得した。新婚旅行中に観光バスの転落事故に巻き込まれ妻を亡くし、同じように大切な人をなくした生存者たちと大家族をつくろうとする青年を演じた。ネット投票ではフジテレビ系「愛し君へ」の藤木直人にトップの座を譲ったが、電話投票で圧倒的な女性票を獲得し、総合でわずかに差し切った。堂本は「すてきな賞をいだたき、とてもうれしく思います。今後も自分らしい芝居を続けていこうと思います」と話している。

　フジテレビ系「離婚弁護士」で、離婚調停を担当するエリート弁護士を演じた天海祐希（３６）が、主演女優賞を受賞した。今回が民放連続ドラマ初主演。男勝りの敏腕ながら、時折女性としての優しさをのぞかせる幅のある演技で、特に３０代以上から支持を集めた。

　天海は「間宮貴子という女性を誠実に演じること、見ていただいた方に元気になってもらうことを心掛けた」という。現在は日本テレビ系「ラストプレゼント」に、バツイチの母親役で主演。プライベートでは歌手吉川晃司（３８）との熱愛が持ち上がり、公私ともに順調。「年相応、分相応でいたい」と常に自然体で臨んでいる。

　ＴＯＫＩＯ山口達也（３２）が初めて助演男優賞に輝いた。日本テレビ系「光とともに…自閉症児を抱えて」で、病気の子供と向き合う父親を好演した。００年度（７月期）のＴＢＳ系「フレンズ」で同賞５位、０２年度（１月期）のＮＨＫ「かるたクイーン」で４位と着実に順位を上げ、晴れて栄冠をつかんだ。

　山口は「光ととともに−」で、初めて父親役に挑戦した。当初は、子育てに無関心な会社人間。我が子が自閉症と知っても、受け入れられず、妻（篠原涼子）にあたる。それが、徐々に父親としての自覚に目覚め、障害を持つ息子を応援し、わずかな成長にも感動するようになっていく。

　初めての父親役については「周りの友人が結婚したり、離婚もしてますから（笑い）、最近は、自分もそういう年齢なんだという自覚みたいなものがあります。だから役には抵抗なくとけ込めましたね」と語った。読者投票では１０代から５０代まで各世代で満遍なくトップとなった。

　家庭を顧みない父親という設定には、違和感もあったという。それでも「自分と遠い役をやった方が本をじっくり読むようになるし、こんな人間もいるんだと悩んだり、考えたりしますから勉強になります」と前向きに取り組んだ。過労で倒れるシーンでは「ここまでするなんて初めてなんです」と、４キロ減量したという。

　視聴率はコンスタントに１５％以上の高い数字を記録し、最終回は１８・３％をマークした。自閉症の子供を持つ親から「主人も最初は受け入れられずに悩んだり、私にあたったりと大変でした」「ドラマのおかげで子供や親の苦労など周囲の理解が広まりました」などと激励の手紙も寄せられたという。「世の中にはさまざまな子供を持つ親がいる。いろんな苦労があるんですよ」。独身の山口だが、口調は本当の父親のようだった。【中野由喜】

◆プロフィール
　山口達也（やまぐち・たつや）１９７２年（昭４７）１月１０日、埼玉県生まれ。ＴＯＫＩＯのベーシストで活躍。９１年７月、少年隊主演のミュージカルＰＬＡＹＺＯＮＥ「ＳＨＯＣＫ」に出演。９３年、日本テレビの「同窓会」でドラマ初出演。血液型Ｏ。趣味はバイク、サーフィン。

　助演女優賞は、ＴＢＳ「オレンジデイズ」の柴咲コウ（２２）が獲得した。病気によって４年前に聴覚を失い、心を閉ざしたバイオリニストの役どころ。主演妻夫木聡とピュアな青春ラブストーリーを演じ、クランクインまでに猛勉強した美しい手話も話題になった。柴咲は「今回の役では今までと違った感情や行動が多くあり、人としてたくさん学ぶことがありました」。ネット投票、電話投票ともに１位での総合トップ。「これからももっと向上できるよう、初心を忘れずにまい進していきたい」と話していた。

　日本テレビ系「仔犬のワルツ」に、森歌乃役で出演した近野成美（１５）が、１０代、２０代から圧倒的な支持を得て新人賞を受賞した。物語は、音楽大学の相続争いに巻き込まれたピアニストたちの心の葛藤（かっとう）を描いた。近野が演じたのは天然系の明るいキャラクターの元音大生。一方で、幼いころ、貧しさから父親に万引を教え込まれ、常習犯だった過去も持つ。歌乃が持つ２つの側面をドラマ初出演ながら巧みに演じ分けた。

　近野は今回の受賞に「本当うれしいです。自分と性格が似ている部分もあったけど、（万引きの）過去については想像して演じるのが難しくて悩みました。でも、共演者の皆さん優しくて楽しかった」と語った。