1400人乗り客船沈没、15遺体収容
サウジアラビアから乗客約1300人と乗員約100人を乗せてエジプトに向かっていた客船「サラーム98」(1万1800トン)が2日夜(日本時間3日朝)、紅海で連絡が取れなくなり行方不明となった。中東通信によると、エジプトの港湾当局者は3日、客船は両岸のほぼ中間で沈没したと語った。AP通信によると、救助隊が15遺体を収容し、12人を救助。海上には、乗客とみられる遺体が浮いており、多数の死者が出ているもようだ。
マンスール運輸相は「乗客のほとんどはエジプト人だ」と述べた。日本外務省によると、客船には日本人は乗っていないとみられる。
沈没の原因は不明だが、サウジ西岸では2日夜強風が吹いていたという。
エジプト救難当局が航空機やヘリコプターなどで捜索している。
客船はエジプトの海運会社が所有。紅海に面したサウジ西部のドゥバハを2日午後7時(日本時間3日午前2時)に出港。エジプトのサファーガ港に3日午前2時半に到着する予定だったが、2日午後10時ごろに消息を絶ち、レーダーから消えたという。
乗客はサウジ国内で働くエジプト人出稼ぎ労働者の家族が大半で、イスラム教聖地メッカへの巡礼を終えて戻る人も含まれていたとみられる。客船にはトラック16台や車22台なども積み込まれていた。
AP通信によると、客船は建造から約35年。マンスール運輸相は「客船は安全基準を満たしており、乗客は定員より少なかった」と述べた。
昨年10月には、同じ海運会社が所有する巡礼者を乗せた別の船がスエズ運河で貨物船に衝突、逃げようとした乗客が折り重なって倒れ、2人が死亡する事故が起きた。
[2006/2/3/22:54]
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