日本のロコ・ソラーレが4連勝を飾った。地元の中国と対戦し、前半だけで2度の3点を得るビッグエンドを作る展開。後半も押し切って、8エンドを終えて10-2で圧勝した。石の研磨がされた後の試合で、18年平昌五輪の経験を生かした。4勝1敗とし、上位4カ国が進む準決勝に前進した。

「4年前の私たちがプレゼントしてくれた勝利ですね」。試合後のサード吉田知は、過去の自分たちに感謝した。前夜、大会期間中に行われる石の研磨があった。メンテナンスを終えた石は、これまでの試合の感覚が役に立たない。

「初戦に戻る気持ちで頭を切り替えました。五輪がまた始まったという感じ」。全員で意識統一して、石との新たな対話に集中した。結果、現時点の順位、相手などへの関心を良い意味で排除できたという。

【カーリング】ロコ・ソラーレ4連勝、中国に10-2勝利/ライブ詳細

18年平昌の失敗経験があった。「4年前は研磨されてから負けが続いてしまった。あの失敗があったからこそ、初戦のようにアイスに集中できた」。中国はここまで2勝3敗ながら、平昌金のスウェーデン、銀の韓国を撃破して勢いづいていた。ホームの利もある。ただ、集中すべき相手は違う。それが奏功した。

7エンドのラストショットでは、投げ手の藤沢、ラインコールする吉田知、スイープをする吉田夕、鈴木の連係が見事にかみ合った。「頑張れ! 頑張れ!」と声を張り上げる吉田知に、必死にブラシで掃いて石の距離を伸ばす2人。放った藤沢も正確だった。2点を獲得して9-2とし、実質的に勝負を決めた。

前日13日は試合がない休養日だった。「ほんとに基礎代謝以外のエネルギーを全く使わないくらい私は動かなかったです」と笑顔。スキップ藤沢五月は「私は洗濯係なので、洗濯をしに外へ出たくらいです」とニコニコ。石と同じように“リフレッシュ”もできた。

“I am a good curler.I have confidence! Let's Have Fun!(私はいい選手だ。自信がある。楽しもう!)”藤沢は右手にそう記す。楽しもう。この日も笑顔が咲いていた。【阿部健吾】